最新の10件はこちらから

年度別一覧

期(年度)掲載コラム号数
第23期(2026年度)第919号~
第22期(2025年度)第868号~第918号
第21期(2024年度)第816号~第867号
第20期(2023年度)第764号~第815号
第19期(2022年度)第712号~第763号
第18期(2021年度)第659号~第711号
第17期(2020年度)第609号~第658号
第16期(2019年度)第559号~第608号
第15期(2018年度)第509号~第558号
第14期(2017年度)第458号~第508号
第13期(2016年度)第408号~第457号
第12期(2015年度)第356号~第407号
第11期(2014年度)第305号~第355号
第10期(2013年度)第254号~第304号
第9期(2012年度)第203号~第253号
第8期(2011年度)第151号~第202号
第7期(2010年度)第99号~第150号
第6期(2009年度)第47号~第98号
第5期(2008年度)第1号~第46号

最新のコラム

  • コラム第939号:「自律型ロボットとの共生社会におけるデジタルフォレンジックス」
    第939号コラム:丸山 満彦 監事(PwCコンサルティング合同会社 パートナー) 題:自律型ロボットとの共生社会におけるデジタルフォレンジックス 1. 一台の自律型ロボットの事故から… “深夜二時ごろ、物流倉庫の倉庫群に隣接する構内私道で、一人の男性が配送ロボットと接触し、搬送先の病院で死亡が確認された…” 自律型ロボットは配送だけでなく、警備、清掃、点検、見守りなど、さまざまな人間が行動する現場に広がっていくと考えられています。こうした共生が社会に根付くかどうかは、ロボットが事故を起こさないことだけでなく、事故が起きた際に何が起きたのかを説明できるかどうかにも懸かっているように思います。 上記の想定の事故は、単純な機械故障ではありません。例えば、事故を起こした配送ロボットは、物流事業者であるD社が保有・運用していますが、その車体はA社製です。経路選択や群制御の中核ロジックはB社のクラウドAI基盤に依存し、ロボット間通信にはC社の回線が用いられていた、ということはあり得る話ですね。
  • コラム第938号:「ランサム事案における信頼と責任」
    第938号コラム:北條 孝佳 理事(NPOデジタル・フォレンジック研究会理事/一般社団法人日本シーサート協議会専門委員) 題:ランサム事案*1における信頼と責任 1. ランサム対応を「専門家」に委ねたくなる心理  日本において、ランサム被害に直面した組織が、交渉会社や身代金の支払代行会社に支援を求めることは、慎重に検討されるべき選択肢である。多くの機関が繰り返し注意喚起しているように、身代金の支払いは復旧を保証するものではなく、結果として犯罪行為を助長する可能性も指摘されている。そうした状況の中で、「専門家に任せれば解決できるのではないか」という期待のもと、交渉や身代金の支払いを前提とした支援に目を向ける動きが見られることについては、慎重な検討が必要である。  交渉会社や支払代行会社は、被害組織に対して一定の助言や支援を提供し得る存在ではある。しかし、その判断や助言は、あくまでビジネスの枠組みとして行われる以上、被害組織の利益と常に一致するとは限らない。このことを、支援を求める前に明確に認識しておく必要がある。なお、この点は外部専門事業者の活用一般を否定する趣旨ではなく、ランサム攻撃者との交渉や身代金の支払いへの関与を主たる業務とする事業者において生じ得る特有のリスクである。
  • コラム第937号:「日本警察におけるデジタル・フォレンジックの草創期 ―私が見た草創期の歩み―」
    第937号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役) 題:日本警察におけるデジタル・フォレンジックの草創期 ―私が見た草創期の歩み―  今日、デジタル・フォレンジックはサイバー犯罪捜査やインシデント対応に欠かせない技術となっている。日本警察が本格的にデジタル証拠の解析に取り組み始めたのは、コンピュータがまだ一部の企業や官公庁で利用されていた時代までさかのぼる。  1970年代後半、日本では銀行のバンキングシステムをはじめとする大型コンピュータ(メインフレーム)の導入が急速に進み、銀行員による不正送金や詐欺事件など、コンピュータを悪用した犯罪が発生するようになった。当時の捜査では、磁気ディスクや磁気テープに保存されたデータを解析し、不正の痕跡を明らかにする作業が行われていた。また、パチンコ等のゲーム機のROMに記録された違法プログラムの解析も実施されており、これらが日本警察におけるデジタル・フォレンジックの原点であった。
  • コラム第936号:「国産経済安全保障支援システムの重要性」
    第936号コラム:守本 正宏 理事(株式会社FRONTEO 代表取締役社長) 題:国産経済安全保障支援システムの重要性 生成AIは、企業活動、行政、教育、医療、製造、金融など、社会のあらゆる領域に急速に浸透しつつあります。我が国にとって国産AIの整備は、単なる技術政策の一分野にとどまりません。経済安全保障、産業競争力、データ主権、そして文化・言語の継承に関わる重要な国家的課題です。 同様に、経済安全保障支援システムの国産化も極めて重要です。このシステムを「国産」で構築・運用することは、国家の「戦略的自律性」を維持し、他国からの不当な支配や経済的威圧を防ぐことにつながります。
  • コラム第935号:「自律型AI(Agentic AI)が暴く組織の死角~「見えないログ」と戦う現場のリアルと、経営陣の心理的麻痺~」
    第935号コラム:名和 利男 理事(情報セキュリティ大学院大学 セキュアシステム研究所 客員研究員) 題:自律型AI(Agentic AI)が暴く組織の死角~「見えないログ」と戦う現場のリアルと、経営陣の心理的麻痺~ 2026年7月16日、AIモデルやデータセット等の共有基盤を運営するHugging Faceは、本番インフラの一部に対する侵入を公表した。 同社の説明によれば、悪意あるデータセットを起点として、データ処理系に存在した二つのコード実行経路が悪用された。その後、処理ノードへのアクセス、クラウドやクラスタの認証情報の収集、複数の内部クラスタへの横展開へと進み、一連の活動は自律型AIエージェントの枠組みによって実行されたという。
  • コラム第934号:「サイバー犯罪の量刑を見直すべきではないか?」
    第934号コラム:須川 賢洋 理事(新潟大学大学院 現代社会文化研究科・法学部 助教) 題:サイバー犯罪の量刑を見直すべきではないか? サイバー犯罪の量刑が最高でどれくらいか、比較してみたことはあるだろうか?  主なものを挙げてみると (1)私電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2第1項)  …5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金  公電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2第2項)  …10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 (2)電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)  …5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 (3)電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)  …10年以下の拘禁刑 (4)不正指令電磁的記録作成罪(ウィルス作成罪)(刑法168条の2)  …3年以下の拘禁又は50万円以下の罰金 (5)不正アクセス罪(不正アクセス禁止法違反)  …3年以下の拘禁又は100万円以下の罰金 となる。
  • コラム第933号:「MECEによる不正アクセス対策の体系化」
    第933号コラム:佐藤 慶浩 理事(オフィス四々十六 代表) 題:MECEによる不正アクセス対策の体系化 「不正アクセス」と書けば、「不正なアクセス」ということだから「悪いことをするためのアクセス」であって「してはいけないアクセス」みたいなことだろうと誰しもが考えます。実際にも「不正アクセス」という用語は一般的に使われています。 しかし、そこに「対策」をつなげた「不正アクセス対策」となると、不正アクセスの解釈がまちまちだと、「不正アクセス対策には、○○することが必要です。」と言うことは「なんらかの対策には、○○することが必要です。」と言っているのと同じです。本来ならば、「○○することが具体的には何の対策にどう役立つの?」と問うてから○○することの必要性や是非を議論しなければならないのに、その問いが見過ごされてしまったままで「確かに、不正アクセス対策には、○○することが必要ですね。」という仮性対話(会話の内容の共通認識が成立していないにもかかわらず、表面上は会話が成立しているように見える状態の対話のこと)になってしまうということです。
  • コラム第932号:「頂き女子りりちゃんとは何だったのか」
    第932号コラム:松本 隆 理事(株式会社ディー・エヌ・エー IT本部 セキュリティ部 サイバーアナリスト) 題:頂き女子りりちゃんとは何だったのか ■ 「頂き女子」という発明 2023年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた「頂き女子」という造語は、渡辺真衣被告がSNSを通じて広めた詐欺の手法を指している。彼女はパパ活の枠組みを悪用し、男性の恋愛感情を利用して大金を騙し取る方法をマニュアルとして言語化した。このマニュアルはSNS上で約3万円で販売され、約1,000人に渡ったとされる。 ■ すべてを共有しあうコミュニティ 渡辺被告の手法は、まずマッチングアプリやSNSでターゲットとなる男性を探し、LINEなどでこまめに連絡を取って信頼関係を築くことから始まる。相手が自分に好意を抱いた段階で、親との不仲や借金といった嘘の悩みを打ち明け、相手に「自分がいなければこの子は駄目だ」と思わせる心理操作を行う。その後「家賃が払えない」などの具体的な窮状を伝えて現金を送金させる。彼女がこのようにして男性3人から集めた金は、計約1億5,500万円に上った。 この事件の背景には、詐欺の実行犯たちが互いに協力し合うSNSを通じたコミュニティの存在があった。そこでは、ターゲットを騙すためのアイテムが日常的に共有されている。例えば、男性に対して支払いに困っていると見せかけるため、携帯電話の利用明細や、同情を引くためのうつ病の診断書などの画像がコミュニティ内で共有されていた。また、効率的に稼ぐためのノウハウや、暴力を振るったり金を払わない男性を「危険男性」として共有するブラックリストサイトも存在している。コミュニティは、本来は隠されるべき自らが受けた性被害の内容を、全て「仲間」に共有するといった、第三者からは理解できない価値観で運営されていた。
  • コラム第931号:「文系大学の中のAI・管見」
    第931号コラム:町村 泰貴 理事(成城大学 法学部 教授) 題:文系大学の中のAI・管見 生成AIは、初めて私たち一般人に知られるようになった2022年から約4年で、種類も増え、消費者も企業もそれぞれの立場から生成AIを活用するのが当たり前の世界となった。  筆者の勤務する大学でも同様で、大学の事務・マネージメントに生成AIを活用することに大学当局は極めて熱心であり、また学生たちはスマホに搭載されて使えるようになった生成AIを、ほとんど特別の意識なく使っており、少し前までググると言われていた行動と生成AIによる「調査」とが区別されることなく日常化している。
  • コラム第930号:「訴訟フォレンジックを通じて弁護士から得た視点」
    第930号コラム:下垣内 太 理事(アイフォレンセ日本データ復旧研究所(株) 代表取締役) 題:訴訟フォレンジックを通じて弁護士から得た視点 今期より理事に就任致しました、アイフォレンセ日本データ復旧研究所(株)の下垣内太(しもがいと だい)です。どうぞよろしくお願い申し上げます。 今回のコラムでは自己紹介を兼ねて、民間のフォレンジック実務者が日常のなかで知ることのできた新たな視点について触れてみたいと思います。まず、私は企業・組織における不正や犯罪のデジタル証拠を探すために、パソコンやスマホのデジタル・フォレンジック調査に日々取り組んでいます。調査といっても解析だけではありません。関係者(当事者・弁護士)向けの説明資料の用意などのデスクワークもあります。 デジタル・フォレンジックといえばランサムウェア攻撃のようなサイバー事案の対処でも活用されています。そんななか私の主戦場はといえば、民事事件における訴訟フォレンジックです。会社の営業秘密が不正に持ち出された証拠探しであったり、未払い残業代の請求に対応するための情報収集が必要な場面でのフォレンジック調査のことです。タイミング的には、来たるべき裁判を見据えての実施もあれば、期日までに残された日数がわずかな状況で急いで調査スタートということもあります。事後対処のフォレンジックですので当たり前ではありますが、ほとんどの調査の始りは突然やってきます。もっとも私はデータ復旧技術者としてフォレンジックに関与し始めた経緯もありますので、突然の対処自体は特に新しいことではありません。それ以外にこの業務には、ある特色があります。それは「弁護士との出会いが多い」ということです。ちなみに何年か前に、相談者が選任した弁護士が偶然にも高校時代の同級生だったことがありました。会議で「久しぶり!」に続けてフォレンジックの話をしたわけですが、こんな珍しい再会もあるぐらい、この仕事を通じて日々初対面の弁護士の方々とお話する機会があります。