第302号コラム「PC遠隔操作事件:初公判冒頭陳述要旨から読み解く「証拠」とデジタル・フォレンジック」

第302号コラム:松本 隆 理事
(ネットエージェント株式会社 フォレンジックエバンジェリスト)
題:「PC遠隔操作事件:初公判冒頭陳述要旨から読み解く「証拠」とデジタル・フォレンジック」

PC遠隔操作事件は、ネットにつながっている快適さや便利さの裏側、何の落ち度もない個人のPCが誰かに踏み台にされ、悪用されるというリスクを改めて明らかにした。2月12日に行われた初公判において、検察、弁護側、そして被告人それぞれの立場でどのような主張がなされたのかは、われわれ専門家だけでなく多くの方が注目していることだろう。

今回のコラムでは、検察による被告人の犯人性の立証で最も重要だと思われる、「被告人が犯行供用プログラム(以下供用ウイルス)を開発作成したこと」に絞って紹介したい。文字の制限もあり、全てを詳細にカバーすることはできないが、デジタル・フォレンジックの観点から重要と思われる点に若干の解説を加えようと思う。なお、本コラムはあくまで筆者個人の感想であって、所属する組織や団体とは一切関係はない。検察、弁護側及び被告人いずれの側にも立つことなく、技術者として一般に向けて解説するものだ。