第65号コラム「日常生活の中のフォレンジック」
第65号コラム:藤村 明子 氏 (NTT情報流通プラットフォーム研究所 情報セキュリティプロジェクト セキュリティ社会科学グループ)
題:「日常生活の中のフォレンジック」
今回は、フォレンジックの目的物の一つとしてのライフログを考える契機として、我々が日々の生活の中で何気なく残している記録と記憶について少し考えてみたい。
少し前のことになるが、”青木直己『幕末単身赴任下級武士の食日記』生活人新書日本放送出版協会”という本を読む機会があった。
幕末、紀州和歌山藩には酒井伴四郎という若い武士がいて江戸藩邸に単身赴任することになった。歴史上は無名の侍であるが、彼は江戸の長屋に同僚の藩士と住み、藩邸の業務に従事しながら自らの暮らしぶりを日記帳の上に残した。
