第141号コラム「個人情報という妖怪と輸入学問の限界」
第141号コラム:林 紘一郎 理事(情報セキュリティ大学院大学 学長)
題:「個人情報という妖怪と輸入学問の限界」
「個人情報」は、幽霊のようなものである。「これが個人情報だ」と、全容を知っている人はいない。それがどこにあるかも分からない。それが流出することを技術的に止めることは出来ないし、それを法的に担保することはより難しい。因みに私自身をグーグル検索してみれば、「自己情報コントロール権」なるものが、空理空論であることがすぐに分かる。しかし、あたかもそれが可能であるかの如き宣伝がなされ、国民の大多数が踊らされた。これが妖怪でなくて何であろう。
私は、個人情報保護法の制定に携わった人々は、その「妖怪性」を百も承知で、しかしこの程度の「言い訳」を作らないと、国際取引もままならないから目をつぶってやろう、と決心したのだと思っていた。とすれば、そうした「難儀な仕事」を引き受けた方々には、それなりの感謝を捧げなければならない。しかし、どうやら事態は全く異なることが分かってきた。
