第245号コラム「フォレンジック調査の事例紹介」

第245号コラム:山内 崇 幹事
(株式会社ピーシーキッド データ復活サービス部フォレンジックサービス部 取締役)
題:「フォレンジック調査の事例紹介」

 弊社では企業内で発生する不正の調査を主な目的としたサービスとして「コンピュータ・フォレンジック」を行っております。今回のコラムは今まで弊社が実際に扱ってきた案件の中から、2案件を事例としてご紹介させていただきたいと思います。ただし、取り扱う内容の都合上、依頼主が特定出来たりするような内容はもちろんですが、公開できないような内容も多くありますので、適宜、事実とは異なる内容に書き換えさせて頂きますことをご了承ください。

【事例1】残業時間の行動調査
弊社に頂くご相談の中で、このケースの相談は比較的多い案件になります。ただし、実際にお見積りをした際、受注に結びつきにくいケースでもあります。というのも、ほとんどのケースが残業時間中に私的なことを行っていた事実を証拠として出したうえで、残業代の返還請求の訴訟を行いたいという内容が多いのですが、残業代の返還請求で返還されるであろう額と調査にかかる費用(弁護士費用等も含めて)を比較すると割に合わないということで、PCの調査は断念されるケースが多いからです。

第243号コラム「文書管理とeディスカバリ」

第243号コラム:木原 京一 幹事(株式会社UBIC 執行役員)
題:「文書管理とeディスカバリ」

 皆様、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 eディスカバリ対応において、IT技術のアドバンテージが高ければ高いほど、かかる手間や工数、コスト削減などを可能にし、訴訟戦略を有利に運ぶことが可能です。

もちろん、デジタル・フォレンジック技術が証拠開示において成否を分けるポイントとして、大きな役割を担う事は皆様ご周知の通りです。また現在、米国を中心として、eディスカバリにおける最先端のトレンドは、TAR(Technology Assisted Review)と呼ばれる、高い技術力を擁しリーガルプロセスで最も工数のかかるレビュー(文書仕分け)を劇的に減少させる、ITハイテクノロジーです。

 日本に限らず、韓国・台湾などアジア諸国の大手企業も、国際競争力の向上を課題にまい進していく中、国境を超える法的リスクを鑑みれば、早々にアジア特有の言語処理の問題をクリアし、このハイテク主導の流れに合わせ、eディスカバリの対応を実施していかなければ、グローバル化においての大きなリスクを免れなくなります。

 前置きが長くなりましたが、本コラムでは先に挙げたハイテク主導でのeディスカバリ対応と合わせ、実際に現場でサポートをしている立場から、別の視点で成否を分ける大きなポイントとして、文書管理とeディスカバリについて考えてみたいと思います。

第241号コラム「新しい年を迎えて」

第241号コラム:佐々木 良一 会長(東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 教授)
題:「新しい年を迎えて」

皆様、2013年あけましておめでとうございます。
ご存知のようにデジタル・フォレンジックもいよいよ実用段階に入り、いろいろな局面で利用されています。個人情報の漏えいなどに関連して漏洩事実や漏洩経路を明確化するために民間でも専門業者に依頼してデジタル・フォレンジックを適用する機会が増えてきているように思います。また、デジタル・フォレンジックの一分野であるネットワーク・フォレンジックも新しい攻撃に対する対策として注目を浴びています。政府においても、ログ管理・証跡管理に関連する統一基準を設定すべく、内閣官房の情報セキュリティセンターと本研究会が協力して検討を行い、昨年7月に「平成23年度 政府機関における情報システムのログ取得・管理の在り方の検討に係る調査報告書」としてまとめあげました( http://www.nisc.go.jp/inquiry/pdf/log_shutoku.pdf )。また、警察の捜査においてもデジタル・フォレンジック技術の利用が広く行われ、違法な書き込みなどに対応し、被疑者を逮捕するにあたっても、マルウエアの影響がなかったかデジタル・フォレンジックを用いて十分チェックしてからでないと大きな問題になる時代になってきています。