第284号コラム「サイバーセキュリティと医療」
第284号コラム:中安 一幸 主査
(厚生労働省 政策統括官付情報政策担当参事官室 室長補佐、
北海道大学大学院 保健科学研究院 客員准教授)
題:「サイバーセキュリティと医療」
医療においてもICT化・ネットワーク化はそれなりの進捗があり、ようやくデータ利活用の道筋も見えてきつつある。それまで技師などのヒトの手を用いてなされてきた、各種の検体検査や画像検査などの自動化は比較的歴史も古く、また人体に侵襲を伴う治療そのものの電子化・自動化も、ここ近年めざましい進歩を遂げた。
これら高度化されたモダリティやアナライザの進化・発展がなければ、今日期待される治療水準は当然達せられてはいないだろうし、検査結果や治療の経過、結果を電子的にデータとして出力することも叶わず、そうすると、全ての指示・実施などの行為記録は紙面に記述されることとなり、高効率的なデータの利活用など到底望めない状況となる。
第283号コラム「悪ふざけと大人の対応」
第283号コラム:伊藤 一泰 理事 (栗林運輸株式会社 監査役)
題:「悪ふざけと大人の対応」
今夏、飲食店やコンビニのアルバイト店員による悪ふざけ投稿がフェイスブックなどにアップされ、社会的に大きな問題となった。大手のコンビニチェーン加盟店で、アルバイト店員が冷凍ケースに入り込んでアイスクリームの上に寝そべった写真をフェイスブックに投稿したという問題が発覚し、当該店舗はフランチャイズ契約を解除され、休業を余儀なくされた。また、その後も続々と類似事案が発覚し、有名ラーメンチェーンの女性従業員が客に提供するソーセージを口にくわえた写真をアップするなどやりたい放題である。
フェイスブックやツイッターは、スマートフォンを使って気軽に投稿できることが特徴なので、以前のホームページやブログ以上に悪ふざけ投稿が広がっている。彼らにとって自己表現のツールとしてのインターネットでありSNSなので、今さら規制しようとしても難しい。せいぜい「仕事中はスマートフォン、携帯、タブレット端末などの使用を禁止する」との通達を出すくらいであろう。あとは、間違った使い方をしないように、そのメリット・デメリットをわきまえた上での利用の仕方を教育することを考えなければならない。
インターネットが世界に向けて開かれたインフラとなっているにもかかわらず、これらの事案を起こした本人は、仲間内で写真を見せびらかす感覚である。プリクラや写メを送る感覚で写真を情報の大海にアップしてしまう。少なくとも、バカな写真を投稿する時点では、仲間内に自慢したいと言う気持ちが先行しており、どんな問題に発展し、誰に迷惑をかけるのかに関して全く気が回らない。そして、結果的に自分に跳ね返ってくることが想像できていない。インターネットに乗せたら瞬時に拡散することに思いが至っていないということであろう。
第282号コラム「証拠保全ガイドライン第3版の改訂ポイント」
第282号コラム:名和 利男 理事
(株式会社サイバーディフェンス研究所 情報分析部 上級分析官)
題:「証拠保全ガイドライン第3版の改訂ポイント」
2013年10月15日、「証拠保全ガイドライン」第3版を公開させていただいた。当初の予定から大変遅い公開となったことを、皆様にお詫び申し上げるとともに、ご協力頂いた関係者に感謝の意を表したい。
「技術」分科会WG作成「証拠保全ガイドライン 第3版」の公開
https://digitalforensic.jp/2014/06/26/guidelines-3/
本コラムにて、今回の改訂ポイントを紹介する。
まず、本改定にあたっての状況認識として、「サイバー攻撃で利用される技術や手法が急激に高度化及び複雑化しているため、コンピュータ・システムに残存する痕跡やログに依存するデジタル・フォレンジックで実態解明をすることが困難になる場合が発生し、更に、インターネットを積極的に利用したサービスやインターネットで繋がることを前提としたアプリケーションサービスを悪用したサイバー攻撃が増加傾向にあるため、被害の発生する場が広範囲になってきている」を、ガイドラインの趣旨に追加した。
これは、「ネットワークログ」(ネットワーク上のパケット通信の流れの記録として残される様々なログ等)を集約及び分析して攻撃実態を解明することが多くなってきているという現状の背景を説明したものでもある。
ところが、コンピュータ・システムにより必然的に記録される「電磁的証拠」と比較すると、ネットワークログは、設計者や運用者の設定したルールにより記録されるものであるため、その分析手法を確立することが難しく、その量が膨大になることもある。そして、どのツールを使用するかによって、分析手順が大きく異なる。そのため、「技術」分科会WGにおける議論や検討を取りまとめるのに時間を要してしまった。
また、ファーストレスポンダーにとってのネットワークログの分析作業は、それほど詳細に行うものではなく、迅速かつ的確に影響範囲を特定することに重きが置かれることが多いため、本ガイドラインで示す分析の流れは、次のシンプルなものにさせていただいた。
