コラム第936号:「国産経済安全保障支援システムの重要性」
第936号コラム:守本 正宏 理事(株式会社FRONTEO 代表取締役社長)
題:国産経済安全保障支援システムの重要性
生成AIは、企業活動、行政、教育、医療、製造、金融など、社会のあらゆる領域に急速に浸透しつつあります。我が国にとって国産AIの整備は、単なる技術政策の一分野にとどまりません。経済安全保障、産業競争力、データ主権、そして文化・言語の継承に関わる重要な国家的課題です。
同様に、経済安全保障支援システムの国産化も極めて重要です。このシステムを「国産」で構築・運用することは、国家の「戦略的自律性」を維持し、他国からの不当な支配や経済的威圧を防ぐことにつながります。
コラム第935号:「自律型AI(Agentic AI)が暴く組織の死角~「見えないログ」と戦う現場のリアルと、経営陣の心理的麻痺~」
第935号コラム:名和 利男 理事(情報セキュリティ大学院大学 セキュアシステム研究所 客員研究員)
題:自律型AI(Agentic AI)が暴く組織の死角~「見えないログ」と戦う現場のリアルと、経営陣の心理的麻痺~
2026年7月16日、AIモデルやデータセット等の共有基盤を運営するHugging Faceは、本番インフラの一部に対する侵入を公表した。
同社の説明によれば、悪意あるデータセットを起点として、データ処理系に存在した二つのコード実行経路が悪用された。その後、処理ノードへのアクセス、クラウドやクラスタの認証情報の収集、複数の内部クラスタへの横展開へと進み、一連の活動は自律型AIエージェントの枠組みによって実行されたという。
コラム第934号:「サイバー犯罪の量刑を見直すべきではないか?」
第934号コラム:須川 賢洋 理事(新潟大学大学院 現代社会文化研究科・法学部 助教)
題:サイバー犯罪の量刑を見直すべきではないか?
サイバー犯罪の量刑が最高でどれくらいか、比較してみたことはあるだろうか?
主なものを挙げてみると
(1)私電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2第1項)
…5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
公電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2第2項)
…10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
(2)電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)
…5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
(3)電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)
…10年以下の拘禁刑
(4)不正指令電磁的記録作成罪(ウィルス作成罪)(刑法168条の2)
…3年以下の拘禁又は50万円以下の罰金
(5)不正アクセス罪(不正アクセス禁止法違反)
…3年以下の拘禁又は100万円以下の罰金
となる。
コラム第933号:「MECEによる不正アクセス対策の体系化」
第933号コラム:佐藤 慶浩 理事(オフィス四々十六 代表)
題:MECEによる不正アクセス対策の体系化
「不正アクセス」と書けば、「不正なアクセス」ということだから「悪いことをするためのアクセス」であって「してはいけないアクセス」みたいなことだろうと誰しもが考えます。実際にも「不正アクセス」という用語は一般的に使われています。
しかし、そこに「対策」をつなげた「不正アクセス対策」となると、不正アクセスの解釈がまちまちだと、「不正アクセス対策には、○○することが必要です。」と言うことは「なんらかの対策には、○○することが必要です。」と言っているのと同じです。本来ならば、「○○することが具体的には何の対策にどう役立つの?」と問うてから○○することの必要性や是非を議論しなければならないのに、その問いが見過ごされてしまったままで「確かに、不正アクセス対策には、○○することが必要ですね。」という仮性対話(会話の内容の共通認識が成立していないにもかかわらず、表面上は会話が成立しているように見える状態の対話のこと)になってしまうということです。
