コラム第939号:「自律型ロボットとの共生社会におけるデジタルフォレンジックス」
第939号コラム:丸山 満彦 監事(PwCコンサルティング合同会社 パートナー)
題:自律型ロボットとの共生社会におけるデジタルフォレンジックス
1. 一台の自律型ロボットの事故から…
“深夜二時ごろ、物流倉庫の倉庫群に隣接する構内私道で、一人の男性が配送ロボットと接触し、搬送先の病院で死亡が確認された…”
自律型ロボットは配送だけでなく、警備、清掃、点検、見守りなど、さまざまな人間が行動する現場に広がっていくと考えられています。こうした共生が社会に根付くかどうかは、ロボットが事故を起こさないことだけでなく、事故が起きた際に何が起きたのかを説明できるかどうかにも懸かっているように思います。
上記の想定の事故は、単純な機械故障ではありません。例えば、事故を起こした配送ロボットは、物流事業者であるD社が保有・運用していますが、その車体はA社製です。経路選択や群制御の中核ロジックはB社のクラウドAI基盤に依存し、ロボット間通信にはC社の回線が用いられていた、ということはあり得る話ですね。
