第150号コラム「コミュニケーションギャップとデジタル・フォレンジック」
第150号コラム:秋山 昌範 理事(東京大学 政策ビジョン研究センター 教授)
題:「コミュニケーションギャップとデジタル・フォレンジック」
東北関東大震災により被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。
1)立場による視座の違い
さて、現在の我が国は厳しい財政事情下にあり、超高齢化社会を迎えた社会保障改革は大きな課題である。そこで、医療の仕組みも改良する必要があるが、その過程で医療関係者だけでなく、患者からも一般国民からも信頼を得ることが必須であり、客観的なデータに基づく議論が必要である。またそのデータは正確であることが前提である。関係するステークホルダにとって、医療費の値上げ等、将来の見直しは、それぞれ痛みを伴いものになる可能性が高いため、継続的再評価(自己評価、客観評価)が必須であり、そこには信頼性が伴わなければならない。医療提供側の医療機関と患者・国民側には、その認識に大きなギャップがある。また、医療提供側間にも、医師、看護師、薬剤師やその他のコメディカル間にも、認識にギャップがある。これらは、それぞれの立場で得られる情報の量(広さ)や質(深さ)に差があることに起因している。そのために、それぞれの立場間の視座の違いを認識していないと、不毛な対立を生むことになり、改革が進まない。
