第17号コラム「デジタル・フォレンジックと知的財産権」

第17号コラム:須川 賢洋 理事(新潟大学 法学部 助教)
題:「デジタル・フォレンジックと知的財産権」

デジタル・フォレンジックという言葉は非常に広範囲に使われており、使う際にはきちんと範囲を限定すべきだということは既に何度もこのコラムで書かれています。この事は裏を返せば、日本ではまだまだデジタル・フォレンジック分野における未開拓領域が多くあることを物語っています。

今回はそんな領域の一つとして知的財産との関係を少し述べてみたいと思います。よって今回は、単なる犯罪捜査などに留まらない”広義”のデジタル・フォレンジックの話となります。

「デジタル・フォレンジック事典」出版の際には時間的な制約等から、営業秘密(トレードシークレット)の解説以外には、残念ながらデジタル・フォレンジックと知的財産権との関係については殆ど触れることができませんでした。しかしながら、知財とデジタル・フォレンジックは決して無関係ではありません。このことは、過去のデジタル・フォレンジック・コミュニティや分科会、事典説明会の折りには少しずつですが述べているので、ご記憶にある方もいるかと思います。今回は、その辺りをもう少しだけ詳しく解説してみたいと思います。

第15号コラム「グローバル化に対応したデジタル・フォレンジック」

第15号コラム:守本 正宏 理事(株式会社UBIC 代表取締役社長)
題:「グローバル化に対応したデジタル・フォレンジック」

会員企業である株式会社UBICは2007年の12月に米国子会社UBIC North America, Inc.を設立いたしました。私は米国子会社のCEOとして現在は2-3ヶ月に一度は米国に出張し、ワシントンDC、ニューヨーク、シカゴ、ボストン、サンフランシスコ、ロサンゼルス等にある米国法律事務所を訪問し、日本企業関連の訴訟の打ち合わせを行っています。地球の反対側のオフィスで日本人は我々だけという状態で外国人弁護士と米国のディスカバリ技術者とが日本企業の訴訟に関しての打ち合わせを進めていくのです。不思議な感覚になります。

そういう状況において最近私はデジタル・フォレンジックのことを考えるとき、IT社会、法的対応能力などに加えてグローバル化が非常に重要なキーワードであると思うようになってきました。

グローバル化という言葉の意味を理解するには“国際化”という言葉と比較したほうがいいようです。“国際化”とは国境が依然と存在しているという状況のなかでの主権国家間のつながりの中に生まれる概念だそうです。それに比較してグローバル化は世界を一つのシステムとすることから出てくる概念になるそうです。言い換えれば世界の単一化、地球規模化などとなるのでしょう。このように二つの言葉を比較するとグローバル化の概念が私なりによく理解できるようになりました。