第68号コラム「韓国サイバー攻撃対応に見るフォレンジック」

第68号コラム:名和 利男 氏 (株式会社サイバーディフェンス研究所)
題:「韓国サイバー攻撃対応に見るフォレンジック」

2009年7月上旬、韓国において大規模なサイバー攻撃が発生しました。各所で大きな話題となりましたが、日本国内に、この攻撃の全体像を説明するような情報が少なく、そこから得られたことなどが、今後に活かされないのではないかと危惧しています。

そこで、今回の私のコラムでは、この攻撃の全体像と、そこから得られたことをご紹介するとともに、デジタル・フォレンジックがどのような関わりを持つのかをお伝えしたいと思います。

先月(7月)7日の深夜、韓国の複数のレスポンスチーム(*1)から電話とメールが届きました。その内容は「日本国内の主要なサイトにDDoS攻撃は発生していないか?」というものでした。それから5日間程、複数の国や民間のレスポンスチームとともに、入手できた検体(*2)及びその解析レポート、過去の大規模サイバー攻撃対応に関する検証データの共有をなどをしつつ、実態の解明や取るべき対応の支援活動を実施しました。

その支援活動の中で、今回の韓国におけるサイバー攻撃が、次の3つの大きな特徴を持つことを見出しました。それぞれをご紹介したいと思います。

・DDoS攻撃
・大量メール送信
・データ破壊

第67号コラム「プライバシー情報保護に関する一考察」

第67号コラム:澤田 忍 氏 (株式会社 NTTデータ)
題:「プライバシー情報保護に関する一考察」

■イギリスの監視カメラ

最近イギリスに行く機会があり、その品格のある街並みに感銘を受けつつ、設置されている監視カメラが少し気になった。ロンドン名物の赤い2階建てバスのカメラを見たときは、はじめは顧客サービス用途かと思ったが、90年代から様々な場所で監視カメラが設置され、犯罪防止に役立てられていることを思い出した。

現在イギリスでは、数百台もの監視カメラが、地下鉄などの公共交通機関を始め、街路店舗など至るところに設置されている。監視カメラはCCTV(Closed Circuit Camera)と呼ばれ、空港において人の動きを分析するCCTVや、反社会的な行動を行う人に注意をするスピーカー付きのCCTVもあるとのことである。

監視カメラの設置により、様々な犯罪において(2005年7月7日のロンドン地下鉄・バスのテロの事件など)実行犯の迅速な検挙につながっているそうだ。増加する犯罪を防止するために必要不可欠になっているのだろう。監視カメラは犯罪が起きたときの状況証拠とするために利用されるが、犯罪抑止効果や、見守られている安心感を与える効果も挙げられるだろう。

とはいえ、個人の私生活が監視されている感覚は否めない。監視員自体の監視や、監視カメラに写る画像データの管理方法についても注意を要する。
ただし、イギリスでは「1998 データ保護法(Data Protection Act 1998)」により、個人情報を扱う際の8つのデータ保護原則が明らかにされており、監視カメラシステムの適正な運用にも寄与している。

第66号コラム「メディカル・フォレンジック・システムの展開」

第66号コラム:吉崎 徳彦 氏 (KSオリンパス(株) 医療機器本部企画部MFSグループ)
題:「メディカル・フォレンジック・システムの展開」

メディカル・フォレンジック・システム(MFS)という動画ファイリングシステムを展開させていただいた状況に触れさせていただきます。医療機関では、患者への説明や研究のため、映像記録をDVDなどでデータを記録することが現在まで一般的であると考えています。しかしながら、手技の安全性やプロセスの正当性の証拠となるデータを披瀝することで手術室の透明化することを目的とする場合、真正性や証拠性が担保された状態でデータを保全するためには、たとえばメディアを複数枚作成し、鍵のかかった場所で作成したメディアを管理するなどが必要になるかと存じます。データの保全性や真正性を担保しうるシステムの実現は、実は様々な課題がございますが、本製品では、最初に製品コンセプトの確立にご協力いただいた順天堂大学産婦人科の菊地先生をはじめ、多くの先生方にご協力により、医療現場での複数映像と生体情報(脈拍、血圧、酸素飽和度など)の同期記録、RAIDの利用、患者情報の暗号化、タイムスタンプの導入などを検討・実現し、単純な動画記録を発展させていただきました。製品のリリース後、以下のような進展がございましたので、紹介させていただきます。