コラム第937号:「日本警察におけるデジタル・フォレンジックの草創期 ―私が見た草創期の歩み―」
第937号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役)
題:日本警察におけるデジタル・フォレンジックの草創期 ―私が見た草創期の歩み―
今日、デジタル・フォレンジックはサイバー犯罪捜査やインシデント対応に欠かせない技術となっている。日本警察が本格的にデジタル証拠の解析に取り組み始めたのは、コンピュータがまだ一部の企業や官公庁で利用されていた時代までさかのぼる。
1970年代後半、日本では銀行のバンキングシステムをはじめとする大型コンピュータ(メインフレーム)の導入が急速に進み、銀行員による不正送金や詐欺事件など、コンピュータを悪用した犯罪が発生するようになった。当時の捜査では、磁気ディスクや磁気テープに保存されたデータを解析し、不正の痕跡を明らかにする作業が行われていた。また、パチンコ等のゲーム機のROMに記録された違法プログラムの解析も実施されており、これらが日本警察におけるデジタル・フォレンジックの原点であった。
