コラム
コラム第788号:「医師の知られたくない権利」
第788号コラム:和田 則仁 理事(湘南慶育病院 外科部長) 題:「医師の知られたくない権利」 医師の情報という意味で特別の意味を持つのが、厚生労働省の医師等資格確認検索というサイト(https://licenseif.mhlw.go.jp/search_isei/jsp/top.jsp)です。医師の名前を入力すると、性別と登録年(医籍に登録された年=ほぼ医学部卒業年)が表示されます。これはニセ医者かどうかを誰でも調べられるように公開されているのだと思いますが、実は法的根拠に基づくものです。医師法第30条の2「厚生労働大臣は、医療を受ける者その他国民による医師の資格の確認及び医療に関する適切な選択に資するよう、医師の氏名その他の政令で定める事項を公表するものとする」とあり、これをネット上で実装したのがこのサイトです。 しかし、名前以上の情報がネットに晒されるのは、このご時世気持ちのいいことではありません。
コラム第787号:「トロッコ問題の現実解」
第787号石井 徹哉 理事 (独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 研究開発部教授) 題:「トロッコ問題の現実解」 市立パラの丸高校というショートアニメがあります (https://twitter.com/parako_official) 。そのうちの一つのアニメ「トロッコ問題解決するギャル【アニメコント】」(https://youtu.be/eRUfbuvhxco?si=nxGVte2SMvMweUYK) が少し話題になっていました。この動画は、トロッコ問題の観念的なものと現実的なものとを明らかにしているように思われます。
コラム第786号:「汎用AIモデルに関する考察」
第786号コラム:守本 正宏 理事(株式会社 FRONTEO 代表取締役社長) 題:「汎用AIモデルに関する考察」 ChatGPTは、文章で質問を入力すると、まるで人間が回答しているかのような自然な文書を生成し返答します。テキストだけではなく、表やソフトウェアのプログラムも作成してくれます。このようなAIの出現によって、汎用AIの実現に関する社会的な期待は高まる一方です。大規模モデルやスーパーコンピュータの進化、さらには量子コンピュータの出現により、汎用AIの出現は現実味を帯びてきました。
コラム第785号:「身近な”サイバー”セキュリティ」
第785号:宮坂 肇 理事(NTTデータ先端技術株式会社 サイバーセキュリティ事業本部Principal Scientist) 題:「身近な”サイバー”セキュリティ」 本研究会が設立されたのは2004年8月23日である。 日本経済が急速にグローバル化が進展、デジタル化や新しいビジネスが 創設される中でデジタル化の利用促進が課題となっていた時代であり、一方、マルウェア蔓延やホームページ改ざん、個人情報をはじめとする機密情報の漏えいなどの情報セキュリティ上の問題が増加傾向にあった。情報セキュリティの重要性についても日本の組織としても喫緊の課題であり、インシデントレスポンスをはじめとして法的紛争や訴訟に対して正当性評価を行う必要がでてくることから「デジタル・フォレンジック」の重要性に対して、普及・促進を図り、健全なIT社会の実現に貢献する目的で当研究会が設立された。 本コラムでは本研究会の設立前後について日本の情報セキュリティ事情について、いくつかの事例をあげて振り返ってみたい。
コラム第784号:「民のかまど」
第784号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役) 題:「民のかまど」 小学生の頃に習った大阪市歌(大正10年制定)は、重厚な曲で 印象が強かったのか、今でも鮮明に覚えている。 歌詞の1番に「高津の宮の昔より、よよの栄を重ねきて、民のかまどに 立つ煙・・・」とある。「高津の宮」は、仁徳天皇が皇居とした難波高津宮であり、「民のかまどに立つ煙」は、仁徳天皇が高殿から国を見渡すと、民の家々の竈から煙が立っていないのを見て民の窮乏を知り、3年間課役を止めた事績に由来する。 「民のかまどから立つ煙」が国民の経済状況の指標(エビデンス)であり、「3年間課役を止める」ことがエビデンスに基づく政策であろう。