コラム
コラム第766号:「サイバー空間の安全保障とデジタル・フォレンジック」
第766号コラム:安冨 潔 理事(慶應義塾大学大学名誉教授、弁護士(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 顧問)) 題:「サイバー空間の安全保障とデジタル・フォレンジック」 2022(令和4)年10月14日に金融庁・警察庁・内閣サイバーセキュリティセンターは「北朝鮮当局の下部組織とされるラザルスと呼称されるサイバー攻撃グループによる暗号資産関連事業者等を標的としたサイバー攻撃について(注意喚起)」を公表した(https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20221014/20221014.html, https://www.npa.go.jp/cyber/pdf/R041014_cyber_alert.pdf)。
コラム第765号:「オーストラリア暗号化法の現状」
第765号コラム:湯淺 墾道 理事(IDF副会長、明治大学 公共政策大学院 ガバナンス研究科 教授) 題:「オーストラリア暗号化法の現状」 デジタル・フォレンジックの技術的課題の一つが、暗号化された情報へのアクセスと復号であろう。捜査機関側からみれば、暗号技術が犯罪者によって悪用されており暗号化された情報にアクセスして復号することが重要であるのに対して、プライバシー保護の観点からは公的権力による復号や民間事業者が復号に協力することには批判が集まる。2016年のApple対FBIの事件も、発端は裁判所がFBIの求めを認容してiPhoneのパスコードロック機能の解除に関する技術支援をAppleに命じたことであった。
コラム第764号:「IDF20周年を迎えるにあたって:人材?人財?人在?! 神在!!」
第764号コラム:上原 哲太郎 理事(IDF会長、立命館大学 情報理工学部 教授) 題:「IDF20周年を迎えるにあたって:人材?人財?人在?! 神在!!」 4月になりました。我々デジタル・フォレンジック研究会(IDF)はこの4月から20期目を迎えます。(新年のコラムで8月に20期が始まると言ってしまったのですが、これは間違いで、IDFは2004年8月設立ですが期は4月から数えるのでこのコラムから20期目になります),前回のコラムにも有りましたとおり、今期は20周年という節目を迎えるための期でありますとともに、これまで20年近く事務局を支えて下さった丸谷さんが事務局長を退任され(本当にありがとうございました)、新たに植草事務局長が着任されました。昨年の事務局移転とIDFの独立収支運営への移行に加え、この新しい事務局体制の確立をもって、IDF運営にかかる大きな変化は一段落します。この間、会員の皆様にはご寄付をお願いするなど、数多のご協力をいただきました。この場をお借りいたしまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
コラム第763号:「IDF独立収支運営化1年と今後のIDF活動と運営について」
第763号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(IDF理事・事務局長) コラム題:「IDF独立収支運営化1年と今後のIDF活動と運営について」 東京の桜は、早くも散ってしまいましたが会員各位におかれましては、 4月からの新たな年度業務の開始に向けて期待や遣る気を膨らませて おられるものと思います。早いものでIDFが独立収支運営に移行した 今期第19期も明日3月31日を持って終了致します。独立収支運営に 移行当初は、第19期末にどの位の第20期への繰越金を確保でき 財務的に安定的なIDF運営を継承できるか不安点も御座いまいしたが、お陰様にて無事に計画に準じて運営することができ、来期第20期への繰越金も第19期予算計画で設定した金額よりも多く残せる見込みとなりました(報告は第20期総会時に行います)。 また、この1年の独立収支運営を通じてIDF運営における財務的な経験や事務局業務を事務局長とパートの体制で廻してゆく経験も積むことができました。
コラム第762号:「ウクライナ戦一年を機にサイバー戦法規を改めて考える」
第762号コラム:須川 賢洋 理事(新潟大学大学院 現代社会文化研究科・法学部 助教) 題:「ウクライナ戦一年を機にサイバー戦法規を改めて考える」 ロシアとウクライナの戦争(※あえて”戦争”と呼ぶこととする)が始まって一年以上が経過した。現代戦においては「5th Domain」とか「第5の戦場」などと呼ばれるサイバー空間での戦いが重要な要素であることは今更言うまでもない。IDFが開催するデジタル・フォレンジック・コミュニティでも2017年には、中谷和弘東大教授にサイバー戦における交戦規定(広義の国際法)である『タリン・マニュアル2.0』について講演いただいているし、5番目のセキュリティ系温泉シンポジウムは「サイバー防衛シンポジウム熱海」と銘打って文字通りサイバーディフェンスやサイバー安全保障を議論の中心に据えている。