第111号コラム「外国判例事情 -ブラックベリーのデータについても保存義務-」
第111号コラム:金子 宏直 氏(東京工業大学大学院 社会理工学研究科 准教授)
題:「外国判例事情 -ブラックベリーのデータについても保存義務-」
先日の法務・監査分科会で取り上げた米国のe-Discovery事例の中から1件簡単に紹介する。米国では、訴訟が予測される時点で、企業は速やかにメールサーバーや問題の鍵となる人物の使用しているPC等のデータが消去、改変されないように保存する義務が判例法上認められるようになっている。数年前であれば、都合の悪いデータを故意に消去して、訴訟の相手方当事者からのディスカバリの要求に対応しないという者も存在していたが、近時は、そのような故意による消去は裁判所による金銭負担その他の制裁の対象となるため、制裁を覚悟の上でなければ行われない。そして、訴訟が予測される時点でも、通常業務の関係で意図せずに古いメールやファイルを順次消去することがあるため、企業は社内全体に対して適切なデータ保存を即時に行うように周知し、かつ、システム管理者等の専門家による適切な保存手順を踏むことが求められている。
