第337号コラム:佐藤 慶浩 理事(日本ヒューレット・パッカード株式会社
個人情報保護対策室 室長)
題:「ビッグデータによる法制度への影響
(デジタル・フォレンジック・コミュニティ2014研究会2の告知)」
デジタル・フォレンジック・コミュニティ2014が、12月8日と9日に開催されますが、9日に開催される研究会2「ビッグデータによる法制度への影響」について紹介します。ビッグデータと法制度というテーマでは、昨今、パーソナルデータ利活用に代表されるような個人情報保護の話しが多くありますが、本研究会では、個人情報保護については、一切触れません(笑)。データのプライバシー問題やセキュリティ対策は社会として重要なテーマですが、その議論は他に譲りたいと思います。
本研究会では、フォレンジックの観点での議論を深めたいと思います。
そのように考えた場合に、ビッグデータとデジタル・フォレンジックの接点としては、2つあります。
1つには、フォレンジック解析の対象がビッグデータとなる事後対応のこと。もう1つには、事故があってからでは取り返しのつかないビッグデータを保護するためにフォレンジックを役立てる予防対策のことです。
前者については、大量データの証拠保全や解析の難しさ等について法制度面で考えるべきことを紹介します。
後者については、システム管理権限がある者によるビッグデータへの不正アクセス対策として米国においては、いわゆる司法取引とデュアルロックを併用する例があります。それについては、第105号コラム「デジタルデータの改ざん防止とその保証」で紹介したこともあります。また、今年から国内で始まった司法取引の検討と米国事例との関係について紹介致します。
これら2つのテーマについて、警察捜査と刑事手続という観点で警察庁サイバーセキュリティ担当参事官の岡部正勝様と、刑事訴訟法を始めとする法制度の観点で当会副会長でもある弁護士の安冨潔先生とにご登壇いただいて、実務的な観点でのご意見を伺いたいと思います。
是非、ご参加ください。
【著作権は、佐藤氏に属します】