第416号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(株式会社フォーカスシステムズ 新規事業推進室 室長)
題:「第13期のIDF活動について」
IDF事務局長の丸谷です。今期で13年目を迎えたIDF活動は、これまでの理事・監事及び会員各位、そして省庁オブザーバーの方々の諸活動への参加とご推進により、本会の活動目的とする高度情報化社会へのデジタル・フォレンジックの普及・啓発が年々浸透し、各分野の現場に根付いて来ていることが感じられるようになって参りました。理事・監事及び会員各位、そして省庁オブザーバーの方々に厚く御礼申し上げますと共に引き続き、諸活動へのご参加、ご支援を宜しくお願い致します。
前期の第12期(2015年度)においては、従来からの毎週のコラム発信(半期毎の冊子配布)と各分科会活動の他にIDFの成果物として、『証拠保全ガイドライン第5版』、『「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」対応のための手引き』、『証拠保全先媒体のデータ抹消に関する報告書』の公開を行った他、日本語処理解析性能評価のための「評価用データの作成」及び「評価基準」等の作成を行い、「デジタル・フォレンジック人材育成」分科会での検討内容を反映した東京電機大学のCySecの「デジタル・フォレンジックコース」授業が実施されました。これらはIDF活動の新たな活動の成果として5月の第13期総会時に報告させて頂きました。
今期第13期(2016年度)は、従来からの毎週のコラム発信(半期毎の冊子配布)と各分科会活動により、デジタル・フォレンジックに関する最新動向情報の発信の他、サイバーインシデント対応や企業統治等でデジタル・フォレンジック的な取り組みが必要とされる局面が増えていることを反映した情報発信を行ってゆきます。また、第12期の成果と実績を活かし、各分野へデジタル・フォレンジック適用を浸透させるべく各分野で参考とされる資料の作成、公開を一層進めたいと思います。具体的には、「証拠保全ガイドライン」改訂検討の継続の他、医療分野でのデジタル・フォレンジックの必要性理解を進めることができる適用シーンや事例・判例等の紹介、「日本語処理解析性能評価基準」に基づいて実施する製品評価結果を反映した参考・推奨製品等の資料作成、そして「デジタル・フォレンジック人材育成のためのカリキュラム例」や教本作成、「法務・監査」分野でのケーススタディ資料の作成等です。
更にあらたな活動として「デジタル・フォレンジックの導入状況調査(仮)」WG(小山覚座長)を発足し、日本における官民の現場にデジタル・フォレンジック製品やサービス等がどの程度導入され、使用されているのかの調査を試みることになりました。このWGは、6月から活動を開始し、調査対象や調査手法、今期活動の予定検討等を進めます。
また、本研究会設立以来毎年12月に開催している「デジタル・フォレンジック・コミュニティ」のテーマやプログラム編成等について、デジタル・フォレンジックの対象範囲の広がりや社会的ニーズ、適用場面、そして課題等の背景環境の変化に対応した企画検討を行うために、6月から佐々木良一会長を実行委員長とし、石井徹哉理事を実行副委員長とする実行委員会を編成し、時代のニーズに合ったコミュニティ企画の検討を進めて頂きます。
※コミュニティ2016は、例年通り9月初頭から開催情報の公開と参加受付を開始致します。
6/3(金)に開催情報を公開し受講受付を開始致しました第6回IDF講習会(9/7(水)~9/9(金))につきましては、既に皆様へお知らせ済みですが、通常コースが12講座(2日間延べ16コース)、簡易トレーニングコースが4講座(3日間延べ5コース)開設されています。既に官民のIDF会員等から受講申込を逐次頂いておりますので、会員の皆様には早めの受講申込をお願い致します。
※次週以降は、一般の官民各所への広報を開始致します。
【IDF講習会HP: https://digitalforensic.jp/home/act/lecture/lecture-6-2016/ 】
上述してきましたように第13期のIDF活動は、デジタル・フォレンジックに関係する諸環境の変化に対応し、会員や社会で必要とされる情報の発信やWGを編成しての諸課題の検討推進と参考資料等の作成を進めると共に会員の皆様に有益な場となるIDF講習会運営やコミュニティ2016の企画検討と具体化等を進めて参ります。
会員各位におかれましては、IDF活動への積極的なご参加、ご支援の他、各種のご意見、ご提言をIDF事務局( office@digitalforensic.jp )迄お寄せ下さいますようお願い致します。頂きましたご意見やご提言は、IDF役員へ通知すると共に理事会等で検討致します。
【著作権は、丸谷氏に属します】