第844号コラム:辻井 重男 理事(中央大学 研究開発機構 機構フェロー・機構教授)
題:「3層公開鍵の提案―本人・本モノ確認の信頼性向上に向けて-公開鍵は火薬の発明に匹敵?」
 
ある科学史の本に「公開鍵暗号の発明は火薬の発明に匹敵」と書かれているそうだ。公開鍵暗号というより公開鍵安号が専門の筆者としては「正にその通り」と言いたいところだが、火薬は誰にでも分かるが、数学的発明の公開鍵暗号は理解が難しい。
4千年の歴史を持つ暗号は共通鍵暗号だった。共通鍵暗号は1階層であるのに対して、公開鍵暗号は、利用者に公開される公開鍵の中に利用者のみが秘密に所有する秘密鍵が隠されている2階層だ。私は、水原 宏さんの「君こそ命、わが命」に倣って「秘密鍵こそ命、我が命」と長い間唱えてきた。秘密鍵には通常、乱数が使われているが、秘密鍵が生命・財産にかかわる現在、乱数でよいのか?本人・本モノ情報が内蔵されてなくても良いのか?という視点から、数年前から3層公開鍵を提案している。

詳しくは、下記論文を参照頂きたい。
究極の本人確認のための3層型公開鍵暗号の提案
-マイナンバー・STRの秘密鍵への埋め込みとその利用に向けて- 第2報
SCIS 2020 2020 Symposium on
Cryptography and Information Security
Kochi, Japan, Jan. 28 – 31, 2020

【著作権は、辻井氏に属します】