今回はコミュニティ2024での「DF若手優秀研究者表彰」についてご案内いたします。
次回メルマガ第7号では、「来場方法ついて」ご紹介する予定です。
【デジタル・フォレンジック優秀若手研究者表彰】
デジタル・フォレンジック研究の活性化を目的として、デジタル・フォレンジックに関する優れた若手研究者を表彰するために第14期より設けられたものです。
本年もデジタル・フォレンジック・コミュニティの2日目12/10(火)9時30分から表彰式を実施いたします。
今回受賞された方は、下記となります。
【最優秀賞】
辻 真琴 様:立命館大学大学院情報理工学研究科
論文名:「NTFSのMFTを用いたSSDにおけるデジタル・フォレンジック手法」
セキュリティサマーサミット2024・情報処理学会第106回CSEC・
第56回SPT合同研究発表会
(受賞理由)
本研究は、SSDにおいて削除ファイルの復元が困難になっているという課題に対し、NTFSにおいてメタデータを保持するデータ構造であるMFT内のファイルレコードの情報を用いて得られるアーティファクトの活用によって復元できない情報を補い、フォレンジックに活用しようとするものである。実際にどのファイルレコードがどのように変化するについて体系的にまとめた資料はこれまでなく、学術的な発表としても他に例を見ない。よって研究結果の資料的な価値が高いと評価できる。
【優秀賞】
荒木 辰哉 様:立命館大学大学院 情報理工学研究科情報理工学専攻
論文名:「ログ生成元プロセス情報によるレジストリとファイル操作ログの関連付け」
SCIS2024 暗号と情報セキュリティシンポジウム,4C2-5
(受賞理由)
本論文は、マルウェアによって引き起こされるインシデント発生時のログ解析の容易化を目標とし、ログと出力元プロセスの関連付けに必要となる要件を明らかにしたこと、そのための機構を実装し、評価まで達成しており、デジタルフォレンジックス技術の発展に貢献したと言える。
【優秀賞】
植木 優輝 様:株式会社日立製作所 研究開発グループ
セキュリティ・トラスト研究部
論文名:「クラウドストレージを攻撃対象としたランサムウェア検知技術の提案」
SCIS2024 暗号と情報セキュリティシンポジウム
(受賞理由)
本研究は、ランサムウェアの被害が今後クラウドストレージにまで広がるという高い視座に基づき、クラウドストレージのファイルを攻撃対象とするランサムウェアに対して,APIでの検知および防御する技術を提案し、有効性を評価した。
さらに,提案方式の実用性の観点から,クラウドストレージを一般的に利用する際には誤検知がないこと,通信遅延が少ないことを定量的に確認した。
【優秀賞】
Zhicheng Dou(竇 志成)様:東京大学 大学院 情報理工学系研究科
電子情報学専攻 大学院生(修士2年)
論文名:「Enhancing Robustness of LLM-Synthetic Text Detectors for Academic Writing:
A Comprehensive Analysis,」
Proc. of the Advanced Information Networking and Applications (AINA 2024),
Lecture Notes on Data Engineering and Communications Technologies, vol 202.
Springer, pp. 266- 277, April 2024.
(受賞理由)
大規模言語モデル(LLM)の進展によって高校生や大学生の3割近くが、レポートにLLMの回答をそのまま写して提出しており、教育現場に深刻な問題が生じている。
候補者はこの問題に対し、教員が学生に与えた課題に対して、(1)学生側がLLMを用いてレポートを生成するシナリオを分析し、さらに、(2)上述のシナリオに対して、教員側が深層距離学習モデルを活用することで、生成されたレポートをロバストに検出する手法を提案し、複雑化したContentで生成したレポートに対して高い検出精度を達成した。
【優秀賞】
宮地 麟 様:東京電機大学大学院 工学研究科情報通信工学専攻
論文名:「Race condition vulnerabilities in WordPress plug-ins」
The 19th International Workshop on Security (IWSEC2024),
(受賞理由)
本研究は、Webアプリケーションにおけるレースコンディション脆弱性の攻撃痕跡がデータベースに残り、それがフォレンジック調査において重要な証拠となる可能性を示したものである。
なお、選定は「デジタル・フォレンジック優秀若手研究者賞」規定のもとで行っております。
【「デジタル・フォレンジック優秀若手研究者賞」規定 概要】
1 IDF理事会が選定委員会を設置し、理事の中から選定委員長を任命する。
2 選定委員長は、選定委員(複数名)を指名する。
3 選定委員会は、デジタル・フォレンジックに関する優れた若手研究者を理事会に
推薦し、理事会承認後、当該研究者の表彰を実施する。
4 表彰対象者の推薦
デジタル・フォレンジック研究会理事は、その年に実施された学会発表や掲載
された学会論文等の筆頭者を対象とし、その年の10月末までに表彰候補者名、
対象となる学会発表テーマまたは論文名及び500字以内の推薦理由を記述した
推薦書を用いて表彰候補者を推薦する。
なお、表彰を実施するにあたっては事前に表彰候補者本人の承諾を得るものとする。
5 表彰区分
(1)最優秀表彰者
①選定委員会は、表彰候補者の中から最優秀若手研究者1名を選定する。
②受賞者には、「表彰状(最優秀賞)」と「賞金」5万円を授与する。
(2)優秀表彰者
①選定委員会は、優秀若手研究者を複数名選定することができる。
②受賞者には、「表彰状(優秀賞)」を授与する。
6 表彰対象者の年齢制限
表彰候補者は表彰の時点で40歳未満とする。
今年の選定委員長は、佐々木 良一 理事、選定委員は、上原 哲太郎 会長、
湯淺 墾道 副会長、辻井 重男 理事・顧問、小向 太郎 理事、佐藤 慶浩 理事でした。
改めまして、受賞された方々にお祝い申し上げ、益々のDF研究の深化と拡大を
期待致します。また、表彰式では、コミュニティ2024参加者の皆様と共に受賞を
お慶びしたいと思います。
コミュニティの参加申込、協賛申込は、随時受付けております。
皆様のお申込みをお待ちしております。
■第21回デジタル・フォレンジック・コミュニティ2024テーマ:
「経済安全保障とデジタル・フォレンジック」
・日程:12/9(月)~12/10(火)
・会場:品川ザ・グランドホール(本年より会場変更)
品川駅 港南口より徒歩5分
https://tg-hall.com/
・開催方式:会場参加(オンラインはありません)
・定員:250名
・参加費:IDF会員 10,000円 一般 15,000円 学生(社会人学生は除く) 5,000円
・締切:11/25(月)(ただし、満員になり次第、締め切ります。)
【デジタル・フォレンジック・コミュニティ2024ご案内ページ】
https://digitalforensic.jp/community-21-2024
【参加申込フォーム】
https://digitalforensic.jp/form-community-21-2024
【協賛特典説明Webサイト】
https://digitalforensic.jp/supporter2024/
【協賛申込フォーム】
https://digitalforensic.jp/support-form/