コラム第863号:「暗号資産のミキシングサービス「トルネードキャッシュ」に対する規制動向について」
第863号コラム:北條孝佳 理事(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士/NICT 招へい専門員)
題:暗号資産のミキシングサービス「トルネードキャッシュ」に対する規制動向について
1 大規模ハッキング被害
2025年2月21日、海外大手暗号資産取引所がイーサリアム(Ethereum)のコールドウォレットのハッキング被害を受け、15億ドル(約2,238億円)以上の暗号資産が窃取された【注1】。これには北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス(Lazarus)」が関与しているとの指摘もある。このような大規模なハッキング被害が発生した場合、暗号資産の資金洗浄(マネーロンダリング)が行われることが多い。本コラムではそのようなマネーロンダリングに悪用されるミキシングサービスの一つである「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」を解説する。