コラム第897号:「技術者交流会を振り返って」
第897号コラム:廣澤 龍典 理事(IDF「若手活動」WG 主査/IDF理事)
題:技術者交流会を振り返って
開催からは2か月弱が経過してしまいましたが、若手活動WGが8月22日(金)に開催した「技術者交流会」について振り返ります。本イベントは、毎年12月に開催される「IDFコミュニティ」を除くとなかなか珍しい「交流を重視した企画」です。
普段の分科会やWGの活動は、講演会の開催や成果物(ガイドラインや提言書)の作成がメインとなっていて、その過程で交流もしますが、知見を得ることや成果物を完成させることが大きな目標となっています。今回のイベントはLTを行うので、ある種の講演会と言えなくもありません。しかし、明確に違う点としてLTを複数の方に行っていただき、様々な話題を出してもらうことで会話(交流)のきっかけが多くなるようにしました。結果として参加人数は全体で40名弱となり、おかげさまで盛大に開催することができました。
コラム第895号:「Health ISAC Japanの設立、および「ヘルスケア」分科会との連携について」
第895号コラム:江原 悠介 理事(PwC Japan有限責任監査法人 リスクアシュアランス ディレクター)
題:Health ISAC Japanの設立、および「ヘルスケア」分科会との連携について
2025年9月に、国内のヘルスケア領域を対象としたサイバーセキュリティの教育・啓発団体として(一社)Health ISAC Japanが活動を開始しました。
この団体は医療・介護・薬局、製薬・医療機器、ウェルネス等、我々が日本内で心身の健康を維持する上で必要となる各種領域を維持するためのセキュリティという問題系を市場的な競争領域でなく、社会福祉的な公共性のある協調領域として捉え、これからの未来につなげる活動を行うことを目的としています。
また、この団体は国内病院のほとんどが深刻な経営赤字を恒常的に抱えており、セキュリティという領域に投資できる病院などゼロに近いにもかかわらず、市場の論理に基づく営利活動を目的とした取組は行いません。医療を含む国内のヘルスケア領域はそもそもお金がなく、さらにそこでのセキュリティで商売するなどということは夢物語です。経済的な見返りを得るのではなく、公共的な恩返しこそが活動の軸です。
