コラム第879号:「民事訴訟法の準文書に残された録音テープと検証作用」
第879号コラム:櫻庭 信之 理事(弁護士・法曹実務者分科会主査)
題:民事訴訟法の準文書に残された録音テープと検証作用
民法96条1項は、詐欺または強迫(注:条文ママ)による意思表示は取り消せることを定めています。
たとえば、民事裁判で、AがBに脅されて物を不本意に買わされたと主張し、購入時の会話の録音データがAの手元にあったとします。Aは、その反訳書面(録音を文字起こしした文書)を証拠提出し、その書面には、購入直前、Aが「怖いよ。」と発言したことが書かれていました。(実際の紛争はより複雑ですが、理解のため単純化しています。)