コラム第892号:「外科医からみた医療機器開発とデータ真正性保持のフォレンジック技術」
第892号コラム:和田 則仁 理事(神戸大学大学院医学研究科医療創成工学専攻 特命准教授)
題:外科医からみた医療機器開発とデータ真正性保持のフォレンジック技術
現代医療は、診断から治療に至るまで目覚ましい進歩を遂げている。とりわけ、手術支援ロボットや画像診断装置といった先進的な医療機器は、外科医の手技を拡張し、患者の予後を向上させてきた。しかし、その革新は同時に新たな法的・倫理的・技術的課題を突き付けている。医療機器が生み出すデータは、単なる記録ではなく、患者の生命を左右する重要な情報資産である。こうした背景を踏まえ、外科医の立場から、医療機器開発の現状と課題、データ真正性確保の重要性、さらにフォレンジック技術の役割について考えてみたい。
コラム第891号:「身近なセキュリティ ~2025年夏~」
第891号コラム:宮坂 肇 理事(株式会社NTTデータ先端技術 セキュリティ&テクノロジーコンサルティング事業本部 サイバーセキュリティインテリジェンスセンター センター長/Principal Scientist)
題:身近なセキュリティ ~2025年夏~
本コラムが配信されるのが2025年9月11日であり、毎年この時期にコラムの執筆をさせていただいているので、書き出しがいつも同様になるが、記録を風化させないためにもここからはじめたい。24年前の2001年9月11日に米国ニューヨークの世界貿易センタービルや国防総省(ペンタゴン)に過激派組織10名にハイジャックされた民間旅客機が激突して、多くの数千人の犠牲者と数万人の負傷者が出て国際関係やテロ情勢などに大きな影響を与えた出来事になっていた。詳しくは、いろいろな解説記事などがあるので、参考にしていただければと思う。四半世紀前でもあり、現在第一線で活躍している世代には遠い出来事ではなかろうか。この事件以降にはテロ脅威に対する対策なども強化されている。四半世紀前にはあまり重要視はされていなかったが、それ以降はサイバー空間上のサイバー攻撃の対象や手段が時代とともに変容しており、リスクが増大している。
