第87号コラム:安冨 潔 副会長(慶應義塾大学大学院 法務研究科・法学部 教授、弁護士)
題:「2010年を迎え」

みなさん新年あけましておめでとうございます。

デジタル・フォレンジック研究会も、2004年に設立以来、5年あまりを迎え、昨年末の「第6回デジタル・フォレンジック・コミュニティ2009」では、これまでにない多くの方が参加してくださり、大盛況のうちに議論を深めデジタル・フォレンジックの重要性をさまざまな視点から共有できたものと確信しております。

今後、情報技術をとりまく環境がクラウドコンピューティングに代表される新たな流れの中で、企業や公共機関などの組織的活動も、必然的に変容を迫られ、ネットワークも「線から面へ」広がって行くでしょう。こうした情勢にあって、情報セキュリティをめぐる環境は確実に変化しており、デジタル・フォレンジックが能動的な情報セキュリティ手法としてますます社会的に認知され、さまざまな分野で活用されていくことは間違いないことでしょう。

デジタル・フォレンジック研究会では、「技術」「法務・監査」「医療」の各分科会が活発に活動し、その成果は着実に今後のデジタル・フォレンジックの進展に寄与することと思います。

安全・安心な情報社会を構築するにあたって、デジタル・フォレンジックが基盤となることはいうまでもありません。

今年も会員みなさんの積極的な活動を期待して、新年の挨拶とさせていただきます。

【著作権は安冨氏に属します】