「デジタル・フォレンジック優秀若手研究者賞」は、デジタル・フォレンジック研究の活性化を目的として、デジタル・フォレンジックに関する優れた若手研究者を表彰するために、第14期に初めて設けられ、昨年もデジタル・フォレンジック・コミュニティの場で表彰式を実施致しました。
本年も「第18期デジタル・フォレンジック・コミュニティ2021 in Tokyo」にて、5回目となる表彰式を行いました。

最優秀賞:
山岡 裕明 様 (八雲法律事務所、弁護士)
「インターネット業務妨害に対する米国の証拠開示制度の活用」
(受賞理由)
本論文は、インターネット業務妨害に対する米国の証拠開示制度の活用、米国におけるディスカバリ制度を業務妨害事案において活用する方法について国内法と比較しながら法的視点から具体的に検討し、その成果は訴訟実務で活用されていることから「最優秀賞」とした。

優秀賞:
松本 瞬 様 (日本電信電話株式会社ネットワークイノベーションセンタ)※執筆時:電気通信大学情報理工学研究科
「背景知識を用いて移動履歴から個人を特定する確率モデルの提案と評価」
(受賞理由)
背景知識を用いて移動履歴から個人を特定する確率モデルの提案と評価において不特定多数の移動履歴を用いて不審者や犯罪者をプライバシーを保護した状態で特定しうる方法を提示した これは証拠性も高くフォレンジック分野でも有用なツールと成り得ることから「優秀賞」とした。

優秀賞:
小林 晴貴 様 (エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)※東京電機大学大学院 工学研究科 情報通信工学専攻
「Trial Development of a Cyber Risk Visualization System  with Function of k-Anonymity and Compatibility with  Other Organizations」
(受賞理由)
経営者が自組織のサイバーリスクを可視化し匿名性を維持しながら他組織と比較できるシステムを検討・試作し その成果を国際会議QRS・C2020で発表し 好評を得た これによりインシデント発生時のフォレンジック調査に備えたデータの収集・保全を効率的に実施できるようになることが期待されることから「優秀賞」とした。