第700号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役、株式会社セキュリティ工学研究所 取締役)
題:「『DF資格認定試験』実務者資格について」

現在、「DF資格認定」WGにおいて、「デジタル・フォレンジック・プロフェッショナル認定(略称:CDFP)」の「実務者資格」の2022年度の実施に向けて検討を行っているところです。本コラムでは「DF資格認定」の検討経緯と「実務者資格」の概要をご紹介したい。

これまで、WGでは「海外の資格認定事例」、「資格名称」、「試験区分」、「試験方法」、「受験対象者」及び「シラバス」について検討を行ってきました。「資格名称」については、「デジタル・フォレンジック・プロフェッショナル認定」、略称を「CDFP」(Certified Digital Forensics Professional)とし、今年度に資格名称等の商標登録を行ったところです。「資格区分」については、「基礎資格」(略称:CDFP-B)、「実務者資格」(略称:CDFP-P)及び「管理者資格」(略称:CDFP-M)の3区分としました。

「基礎資格」は一定レベルのDF基礎知識を有することを認定するものです。組織内の不正事案、情報流出事案及びランサムウエア被害等において、DF調査は欠かせないのが実情です。多くの場合、外部に調査を委託することになりますが、適切に対応するためには、DF調査ではどのようなことが行われるのか、また、調査結果を理解するうえでもDF基礎知識を有していることが大事です。このようなことから、受験者はDF調査に係わる方のみならずDF基礎知識を有するとの評価を得たい方などを想定しております。2020年8月に「基礎資格」のシラバスを公開し、同年9月に本試験を開始しました。これまで模擬試験合格者を含め382名の方に「基礎資格」を認定しております。

「実務者資格」はDF調査に関する実務に関して深い知識を有することや実務能力が一定レベルにあることを認定するものです。受験者はリーガルテクノロジーやインシデント・レスポンスを業態とする企業のDF調査担当者、監査法人や法曹関係者のうちDFに関する知識を必要と方及び捜査機関のDF調査担当官などを想定しております。昨年11月に「実務者資格」のシラバスを公開したところです。2月12日に東京会場及び京都会場にて模擬試験を実施したうえで、本年9月に本試験を実施する予定です。なお、模擬試験つきましてはIDFホームページにてご案内しております。試験問題は選択式とし、技術系問題45問、法律系問題15問を出題します。技術系問題のうち10問は「サイバーセキュリティ調査」又は「不正調査」の選択問題としております。

現在、「実務者資格」の有効期間及び資格更新のための継続教育について検討を進めております。また、来期には「管理者資格」認定試験について、シラバス等の作成及び模擬試験を実施する予定です。

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