コラム第872号:「地方創生の取り組み」
第872号コラム:伊藤 一泰 理事(近未来物流研究会 代表)題「地方創生の取り組み」
【Episode1】
僕の少年時代の原風景は、秋田県北部の農村風景である。そのころ暮らしていた家の窓から見えていた印象的な風景は、春の田んぼと農作業をしている農家の人たちある。
3月までの長い冬が過ぎて、雪解けの4月になると、北東北にもやっと春がくる。まだ、風は冷たいものの「水温む季節」である。春の農作業は、牛馬を使った代掻き(しろかき)から始まる。なかなか言うことを聞かない牛馬をなだめすかせて、木製農具を苦労しながら操るお百姓さんの姿を見ていた。
そのうち「耕運機」なるものが登場した。ヤンマーやイセキなどの農機具メーカーが開発した画期的な農業用機械だ。農家の人たちにとっては仕事が随分と楽になって作業効率アップになったようだ。