第306号コラム「2014年度の研究会活動に向けて」

第306号コラム:佐々木 良一 会長(東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 教授)
題:「2014年度の研究会活動に向けて」

この4月からデジタル・フォレンジック研究会の活動も第11期となります。10期では10周年記念ということで、通常の活動に加え、次のような活動を実施してきました。

(1)「改訂版デジタル・フォレンジック事典」の出版(2014年4月下旬発刊予定)

(2)10周年記念式典の実施(2013年8月23日)

(3)功労者表彰の実施(2013年8月23日)

デジタル・フォレンジック研究会のこのような活動は世間の注目を浴びるようになっていき、2013年のデジタル・フォレンジック・コミュニティの参加者は328人を数えるまでになっていきました。また、デジタル・フォレンジックという言葉は、広く使われるようになり、一般のセキュリティ技術者が「フォレンジックする」というようなことを言うようになってきています。遠隔操作ウイルス事件の法廷でも「ファイルスラック領域」のようなデジタル・フォレンジックの専門用語が飛び交うようになっています。NISCのセキュリティ技術戦略の中にも重要技術の1つとしてしっかり位置づけられています。したがって、デジタル・フォレンジック研究会の重要性もますます増大していくとも考えられます。

第305号コラム「改訂版デジタル・フォレンジック事典の出版について」

第305号コラム:舟橋 信 理事(株式会社UBIC 取締役)
題:「改訂版デジタル・フォレンジック事典の出版について」

 デジタル・フォレンジック研究会は、2006年12月20日、デジタル・フォレンジックの啓発・普及を図るため、和書では国内初の専門書として「デジタル・フォレンジック事典」を日科技連出版社から出版いたしました。初版本は、発行から既に7年が経過しておりますことから、デジタル・フォレンジック研究会の設立10周年記念行事の一環といたしまして、「改訂版 デジタル・フォレンジック事典」を日科技連出版社から出版することといたしました。発売開始は4月下旬の予定です。発売につきましては、別途、事務局からご案内させていただきます。

 この度の改訂では、「第Ⅰ部 基礎偏」と、「第Ⅱ部 応用編」の2部構成といたしました。基礎編は、初学者向けにデジタル・フォレンジックの基礎的事項を取り上げております。応用編は、研究者や実務者に役立つ内容としております。付録では、2012年10月に公開されました国際規格、デジタル・フォレンジック研究会が公開しております証拠保全ガイドライン、および、デジタル・フォレンジックと近い関係にあるデータ復旧などをご紹介しております。

 また、改訂版では、この7年間のデジタル・フォレンジックに関係する法律の改正や関連技術の発展などを盛り込んでおります。

第302号コラム「PC遠隔操作事件:初公判冒頭陳述要旨から読み解く「証拠」とデジタル・フォレンジック」

第302号コラム:松本 隆 理事
(ネットエージェント株式会社 フォレンジックエバンジェリスト)
題:「PC遠隔操作事件:初公判冒頭陳述要旨から読み解く「証拠」とデジタル・フォレンジック」

PC遠隔操作事件は、ネットにつながっている快適さや便利さの裏側、何の落ち度もない個人のPCが誰かに踏み台にされ、悪用されるというリスクを改めて明らかにした。2月12日に行われた初公判において、検察、弁護側、そして被告人それぞれの立場でどのような主張がなされたのかは、われわれ専門家だけでなく多くの方が注目していることだろう。

今回のコラムでは、検察による被告人の犯人性の立証で最も重要だと思われる、「被告人が犯行供用プログラム(以下供用ウイルス)を開発作成したこと」に絞って紹介したい。文字の制限もあり、全てを詳細にカバーすることはできないが、デジタル・フォレンジックの観点から重要と思われる点に若干の解説を加えようと思う。なお、本コラムはあくまで筆者個人の感想であって、所属する組織や団体とは一切関係はない。検察、弁護側及び被告人いずれの側にも立つことなく、技術者として一般に向けて解説するものだ。