コラム第804号:「2023年の医療セキュリティを振り返る」
第804号コラム:江原 悠介 理事(PwCあらた有限責任監査法人 システム・プロセス・アシュアランス部 ディレクター/IDF「ヘルスケア」分科会 主査)
題:「2023年の医療セキュリティを振り返る」
2023年は国内の医療セキュリティにとって大きな変換点となる節目であったといえる。
2023年4月から、医療法施行規則14条2項の見直しに伴い、医療機関では医療情報システムのサイバーセキュリティが医療安全管理の一部として求められることになった。これを受け、医療法25条1項に基づく立入検査で、感染症対策や医薬品管理、医療機器管理等と同等の観点でサイバーセキュリティへの対応が図られているかについて、医療機関は重点的なチェックを受けることになった。そして、この取り組みは2024年においても継続される。さらに、この範囲は当初は病院のみであったが、調剤薬局にも同等の検査が入ることが23年10月に周知された。今後、病院や薬局は検診や介護等の関連する領域と深く連動していることもあり、この範囲が拡大していくことは明らかである。