第641号コラム:「暗号学者の視た理念と現実(天国からの恩師のご下問に応えて)―『楕円曲線暗号から情報セキュリティ総合科学まで』」
第641号コラム:辻井 重男 理事 兼 顧問(中央大学研究開発機構 機構フェロー・機構教授)
1.究極の本人確認―本当に自分のカードか?
Q.君は、現役の頃は、大した研究をしていなかったが、最近は、究極の本人確認等について、一寸はマシな論文を書いたりしているようだな。
A.天国から見て頂いてお恥ずかしいですね。公開鍵暗号の秘密鍵に、マイナンバー・STR(DNA)を秘密に埋め込むと言う3階層公開鍵暗号の提案等しています。デジタル庁を設置するとか、日本も遅ればせながら、デジタル化に本腰を入れる気運が出て来たようですが、いろいろ難しい課題がありますね。
第639号コラム:「2020年7月に発生したTwitter社内の重要システムへの侵害事案から得るべき教訓」
第639号コラム:名和 利男 理事((株)サイバーディフェンス研究所 専務理事/上級分析官)
2020年7月15日、Twitterにおいて有名人や大手企業の公式(認証済み)アカウントが一斉に乗っ取られ、同アカウントから暗号資産詐欺を狙ったツイートが投稿された。
被害を受けたのは、ビル・ゲイツ氏(マイクロソフト創業者)、イーロン・マスク氏(テスラ共同創設者)、ジェフ・ベゾス氏(アマゾン共同創設者)などの企業家、ジョー・バイデン氏(米民主党の大統領候補)、バラク・オバマ氏(前米国大統領)といった政治家、アップルやウーバーといった企業、BitcoinやCoinbaseといった暗号通貨関連の公式(認証済み)アカウントであった。Twitter社の限られた従業員のみがアクセス可能なユーザー管理システム(以下、アカウントサポート・ツール)を使って130のアカウントが攻撃を受けた。