第45号コラム「デジタル・フォレンジック・ガイドラインとは」
第45号コラム:和田 則仁 氏(慶應義塾大学 医学部外科 助教)
題:「デジタル・フォレンジック・ガイドラインとは」
医療界では10年ほど前から学会主導でガイドラインの策定が盛んに進められています。これは診療ガイドライン(clinical practice guideline)と呼ばれるもので、「医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で系統的に作成された文書」とされます。現在、この診療ガイドラインの多くは、「エビデンスに基づいたガイドライン(evidence-based guideline)」というスタイルで作成されます。
エビデンスとは、個々の臨床研究の結果、あるいはそのいくつかをまとめた結果を指し、その臨床研究の方法論や質によりレベルが分類されています。一番レベルが低いのが「偉い人が言っている(expert opinion)」というもので、従来はとてもありがたいものでしたが、今では軽く見られています。逆に最も高いのが、ランダム化比較試験(randomized controlled trial; RCT)によるエビデンスです。これは何万人という患者をくじ引きで2つの治療法に振り分け、その比較の結果、より良い治療法を明らかにしていく手法です。最近では新しい治療法は、RCTで従来の最善の治療法と比較され優れているということが証明されない限り受け入れられないという状況になってきています。このようなエビデンスをよく吟味してまとめられたのがエビデンスに基づいた診療ガイドラインです。
