コラム第823号:「令和6年度診療報酬改定をサイバーセキュリティという切り口で見る」
第823号コラム:江原 悠介 理事(PwC Japan有限責任監査法人 リスクアシュアランス ディレクター)
題:「令和6年度診療報酬改定をサイバーセキュリティという切り口で見る日本の人口減少問題について」
令和6年(2024年)の診療報酬改定では、ICTの観点から見ると、医療DXというキーワードに伴う報酬や加算の見直しが大きく行われることになった。各種メディアでも医療DXに伴う報酬内容の解説が様々に行われているが、言うまでもなく、診療報酬の内容を<点>で見てもあまり意味はない。もともとの診療報酬制度自体が医科・歯科・薬局を厚生労働省の統制医療経済のもとで政策誘導するツールである。急激な環境変化に伴う現場への影響を考慮して、初期段階ではライト(あるいはヘビー)な要件を入れ込みながら、その全域化に向けて、段階的に梯子を広げる(あるいは外す)ことが今までの報酬政策の中でも繰り返し行われてきている。そのため、医療DXという新たな要件にも同種の<線>としての種が仕込まれていると考えるべきである。