第122号コラム: 須川 賢洋 理事(新潟大学 大学院現代社会文化研究科・法学部 助教)
題:「今年の越後湯沢のワークショップは……」

 今年も、情報セキュリティ界の秋の一大イベントである湯沢ワークショップの時期が
近づいてきました。今年の残暑をさすがに10月までは引っ張りたくはないですが、
湯沢WSだけは熱いままであと一ヶ月走り続けたいと思います。
昨年開催した「ネットワーク・セキュリティワークショップin越後湯沢」は第10回記念
大会として、台風の中にも関わらず、非常に多くの方にお越しいただき、大盛況のうちに
終えることができました。

 11回目となる今年は、情報セキュリティの第二期目と位置づけ、名称も「情報セキュリティ
ワークショップin越後湯沢」とリネームして新たに開催いたします。9.11テロと相前後して
「情報セキュリティとは何か?」「なぜ情報セキュリティが必要か?」などいうことが叫ばれ
るようになり、以降、そこから多くの研究会やシンポジウムなどが生まれました。湯沢WSは
もちろん、この「デジタル・フォレンジック研究会」や「デジタル・フォレンジックコミュニティin Tokyo」
などもその中の一つです。当初、湯沢WSを始める時、「セキュリティなんて5~6年もやれば廃れる」
という声が多くありました。そして関係者一同、実際にそうなること、つまり、セキュリティなんて
不要になることを心のどこかで望んでいたのも事実です。しかしながら、その儚い希望は見事に
崩れさり、今日のような状況であることは今更改めて言う必要もないでしょう。

 そこで第2期の湯沢WSでは、「不可欠になったセキュリティ」、「円熟期のセキュリティ」と
いう前提でプログラムを組んであります。そしてそのようなコンセプトによる開催の第1回目と
して、今年はメインテーマに「BCP(Business Continuity Plan)・BCM(Business Continuity Management)
を取り上げます。「IT依存社会ではどのような事態を想定しなければならないのか?」を参加者全員
で検討してみたいと思います。

 もちろんワークショップの名物であります夜の車座会議(BOF)は、今年も6つ以上ののテーマに
ついて語れる部屋を用意しています。

 では、以下、プログラムです。皆様の参加をお待ちしております!

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『情報セキュリティワークショップ in 越後湯沢 2010』

「~逃げちゃダメだ! ~IT社会のBCP・BCM。なう!」

2010年10月7日(木)-9日(土) [URL]http://www.anisec.jp/yuzawa

10月7日(木)
・「オリエンテーション」梶本政利氏(ITGI JAPAN)
・「講演(演題未定)」島田裕次氏(東洋大学)
・「BCP/BCMに関する国際的標準化の動向をIT側面から見る(仮)」
原田要之助氏(情報セキュリティ大学院大学、大阪大学)
・「ナイトセッション」

10月8日(金)
・「情報セキュリティ政策の状況(仮)」
阪本泰男氏(NISC副センター長、内閣審議官)
・「組織内犯罪の発見・予防(仮)」
渡邊和美氏(科学警察研究所捜査支援研究室長)
・「技術系視点からのインシデントレスポンス(仮)」
小野寺匠氏(Microsoft社セキュリティレスポンスチーム)
・「車座会議」

10月9日(土)
・「韓国におけるサイバー犯罪事情(仮)」
閔庚植氏 (韓国インターネット振興院)
・「パネルディスカッション」
小野寺匠氏
閔庚植氏
丸山満彦氏(デロイトトーマツリスクサービス)
・(フェアウェルパーティー)
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問い合わせ先:
NPO新潟情報セキュリティ協会 内
情報セキュリティワークショップin越後湯沢 事務局
E-Mail yuzawa2010@anisec.jp

【著作権は須川氏に属します】