第437号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(株式会社フォーカスシステムズ 新規事業推進室 室長)
題:「第13期活動状況とコミュニティ2016に向けて」

今年も急な冷え込みから秋が深まっておりますが気温の変動で体調を崩されることの無いよう皆様お気を付け下さい。

お陰様にて第13期のIDF活動も各分科会やワーキング(以下WGと記す)等で中味の濃い有益な活動が続けられております。「証拠保全ガイドライン」改訂検討が今期末の第6版公開に向けて進められている他、約2カ年の検討を続けて参りました「日本語処理解析性能評価」(活動状況等はコラム第408号ご参照)も具体的に実施する運びとなり、10/13(木)に受検企業に対する説明会を実施し、それに引き続く評価委員会で受検企業及び「日本語処理解析性能評価」分科会WGメンバー(大学・省庁からの有識者アドバイザリーメンバー(個人の立場で参加されています)を含む)にて、本WGにて作成した評価用データや評価項目等を11/25(金)に受検企業等にお渡しすると共に2017年1月に順次、受検企業が用意する評価環境にて、本WGが作成した評価手順・要領にて評価を実施(公平な立会人の元で)することが決まりました。評価結果については、事後、IDFは受検企業名等をIDFのHPで公表し、結果などについては受検企業のHP等で公開されるものと思います。

また、「医療」分科会の2つのWGからは、医療WG1においては、包括的な地域医療・介護連携の運営ポリシーにはデジタル・フォレンジックという観点が不可欠という判断から日本IHE協会と共同検討を進めている「(仮称)地域医療連携組織のための情報連携ポリシーテンプレート」(詳しくはコラム第436号ご参照)が、医療WG2においては、日本医療情報学会や医療情報安全管理監査人協会他の有志と検討を進めている、医療現場での課題を解決するためにデジタル・フォレンジック技術の活用方法を紹介するための「(仮称)医療情報におけるデジタル・フォレンジック(報告・提言)」が(活動方針はコラム第417号ご参照)公開される予定です。また、フォレンジックに関連する最新動向や知識等を知ることができる各分科会による講演会も逐次実施されています。※11/16(水)に第13期第3回「技術」分科会が開催されます。参加受付中(11/9(水)迄)です。
これらの活動を推進して頂いております役員、主査・座長、参加会員(個人・団体)、省庁オブザーバー及びアドバイザリーメンバーの皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

9/7(水)~9(金)に開催致しました第6回IDF講習会は、IDFが用意した会場(TKP市ヶ谷)においての通常コース受講者は延べ326名、企業会場にて実施した簡易トレーニングコース受講者は延べ56名に達し、受講者アンケート結果からは、受講者の98%以上が来年も実施して欲しいと回答があり、内容も有益だったとする方が大多数となっていました。また、受講コース内容は例年変わりますがリピーター参加者も35%に上ると共に今年の受講申込状況から各関係省庁等のデジタル・フォレンジックを必要とする現場で、IDF講習会を受講するための予算が確保できるようになってきていることが実感されました。民間からの参加者も情報管理部門や研究職だけでなく、デジタル・フォレンジックを必要とする現場の方々や今後、デジタル・フォレンジックの知識や対応が必要となってゆく方々(弁護士や監査等も含む)の受講者も増えて参りました。来期も9月に第7回IDF講習会を企画致しますので、団体会員各位には、来期の各社計画で通常コース及び簡易トレーニングコースの設定をお願いすると共に個人会員各位には来期の受講も宜しくお願い致します。

第13回目となりますデジタル・フォレンジック・コミュニティ2016は、これまでと同様にグランドヒル市ヶ谷で12/12(月)、12/13(火)に開催致します。コミュニティ2016のテーマにつきましては、「実用化が進み始めたIoT/自動化とデジタル・フォレンジック」としました。今年のテーマでは、これまで付けてきていた副題(サブテーマ)を設けませんでしたが、これはフォレンジックを適用しなければならない範囲が各分野へ一層の広がり(今回のコミュニティ2016であれば自動車分野や物流分野等へ)を見せていることとサイバー攻撃の調査や対策等にフォレンジックが必須構成項目として入り込んできていること、関連施策や人材育成においても同様にそれらの一部にフォレンジックが包含されつつあること等から副題(サブテーマ)は、各講演枠や研究会枠の内部で掘り下げて頂いたり、今後の普及・啓発方向として提起・提言して頂きたいからです。言い換えれば、それらの各分野を横串に総括できるような共通した副題(サブテーマ)を付け難くなっているという言い方もできると思います。各分野へのフォレンジックの広がりや浸透は歓迎すべきものである一方、フォレンジックそのものに特化した講演枠や研究会枠が設け難くなっているとも言えます。来期以降のコミュニティ企画とプログラム編成につきましては、事後、個人・団体会員各位や省庁オブザーバーからの忌憚の無いご提案、ご提言を受けるようにしたいと考えております。その際は、宜しくご協力下さいますようお願い致します。そのためにもまだコミュニティ2016の参加申込をされていない方は、早めに参加申込を行って下さいますようお願い致します。

コミュニティ2016のプログラム構成と概要については、コミュニティメルマガ第2号(10/11発信)で第1日目を、第3号(10/17発信)で第2日目をお知らせしております。両日ともそれぞれ聴講者に有益な情報となるご講演と実務に役立つ研究会での講師陣による報告や討議の場を設けて御座いますので聴講して頂くと共に現場等でお役に立てて頂きたいと思います。この他、第1日目の夜に開催する交流会は、これまでと同様にコミュニティ2016の講師やIDF役員等及び官民からの参加者、展示企業からの参加者等との交流の場としてご活用下さい。また、交流会では、これまでと同様に約20分程度のショートスピーチが用意されております。この講師、内容等は、今後のコミュニティメルマガにて紹介する予定です。
※コミュニティ2016の最新情報は、https://digitalforensic.jp/home/act/community/community-13-2016/ をご覧下さい。

※今年のコミュニティ2016の後援省庁・団体は、下記となります。参加募集定員は例年と同じく300名です。
サイバーセキュリティ戦略本部/公正取引委員会/警察庁/金融庁/総務省/法務省/外務省/厚生労働省/経済産業省/国土交通省/海上保安庁/防衛省
(公財)日工組社会安全研究財団/(一財)日本情報経済社会推進協会/(公財)金融情報システムセンター/(独)情報処理推進機構/(一社)JPCERTコーディネーションセンター/日本セキュリティ・マネジメント学会/警察政策学会/法とコンピュータ学会/情報ネットワーク法学会/NPO日本ネットワークセキュリティ協会/NPO日本セキュリティ監査協会/NPO ITコーディネータ協会/(一社)日本公認不正検査士協会/ISACA
(情報システムコントロール協会)東京支部/日本データ復旧協会/情報セキュリティ大学院大学/中央大学研究開発機構/東京電機大学/(株)日本政策投資銀行/(一社)メディカルITセキュリティフォーラム/(一社)日本画像認識協会/(一財)情報法制研究所/(一財)日本サイバー犯罪対策センター

では、今後の各種IDF活動へのご参加、それらで得た知識・知見等のご活用及びデジタル・フォレンジック・コミュニティ2016へのご参加を宜しくお願い致します。

【著作権は、丸谷氏に属します】