コラム第832号:「昨今の組織内の不祥事と”Broken Windows”」
第832号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役)
題:「昨今の組織内の不祥事と”Broken Windows”」
”Broken Windows”と言う言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。警察関係者には、ご存じの方も多いのではないかと思います。
”Broken Windows”は、ハーバード大学教授のジェームズ・ウィルソンとジョン・F・ケネディ行政大学院リサーチフェローのジョージ・ケリングが、月刊誌「アトランティック・マンスリー」の1982年3月号に発表した論文のタイトルで、サブタイトルは”The police and neighborhood safety”です。国内では「割れ窓理論」などとして知られております。
同理論は、建物の割れた窓を放置しておくと、通行人が誰も気にしないと考え、さらに壊され、その周りの環境が急速に悪化し、さらなる犯罪や無秩序が広がるというものです。つまり、小さな違反行為や無秩序を放置すると、それが社会全体の治安や秩序の悪化につながるとされています。
コラム第830号:「ウクライナ情勢から学ぶこと」
第830号コラム:手塚 悟 理事(慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート 特任教授)
題:「ウクライナ情勢から学ぶこと」
昨今の世界情勢を概観すると、ここ数年に渡る米中の覇権争いが激しさを増してきた中で、2022年2月24日からロシアのウクライナ侵攻が始まり、早2年半が過ぎようとしている。現在はロシアとウクライナの間で一進一退の攻防が続いている。
また一方、2023年10月7日にパレスチナのガザ地区を実質統治しているハマスによりイスラエルに対する前例のない攻撃が開始され、戦闘は終わりが見えない。
このような世界情勢の下、我が国の周辺では、中国による台湾への侵攻、いわゆる我が国の周辺で起こるであろう課題が相当な確率で起きようとしている。
そこで、特にウクライナ情勢を学ぶことで、我が国の周辺で起こるであろう危機に対する我が国の備えを早急に構築する必要がある。