第33号コラム「CIO(最高情報責任者)の役割とデジタル・フォレンジック」

第33号コラム:小林 宏之 幹事(株式会社NTTデータ e-コミュニティ推進事業部 部長)
題:「CIO(最高情報責任者)の役割とデジタル・フォレンジック」

従来のIT部門の課題は、ITシステムの構築と安定的な運用に重点が置かれ、ITを管理することが大きな目的でしたが、会社の経営そのものをITで管理する段階に移っています。これからは、ITそのものが目的ではなく、手段だと明確に認識する必要があると考えます。
そこで働く人材についても、コンピュータのことだけを詳しく知っているだけではだめで、業務や経営、社会の仕組みそのものへの造詣も深いこと、コンピュータを活用して社会のために何をつくれば喜ばれるのかを考えることが、求められるようになってきています。
このような状況の中、官公庁、自治体、企業においては、ITガバナンス強化のため、CIO、CIO補佐官を任命、採用しています。
CIOは、組織において、情報システムの統括を行い、IT戦略の立案と推進に責任を持つリーダーです。
あるCIOから話を聞き、業務の実態をみてみると、経営人に対する技術専門的な内容の説明、教育を行うとともにユーザーとITを統治する組織との接着剤の役割をはたしており、最近では、情報漏えい対策やSOX法対応もCIOやCIO補佐官が、中心になって実施しているとのことです。

第32号コラム「デジタル・フォレンジックの現場にて」

第32号コラム:芝 啓真 幹事(株式会社フォーカスシステムズ フォレンジック システム&サービス室)
題:「デジタル・フォレンジックの現場にて」

本年より「技術」分科会の幹事をさせて頂いています芝と申します。宜しくお願い致します。私が初めてデジタル・フォレンジックと出会ったのは、4年前のことでした。当時はセキュリティ分野に関わる事自体が初めての上、更に「フォレンジック」という言葉の意味が全く分からずとても苦労した覚えがあります。現在はデジタル・フォレンジック研究会の活動もあり、「フォレンジック」という言葉も随分浸透してきたと感じています。

さて、現在私はフォレンジック製品の営業を経て、e-Discoveryや調査等の技術的な業務を行なっています。「デジタル・フォレンジックの現場にて」とタイトルをつけましたが、普段の業務を行なっていると、改めて“人”と“セキュリティ”について感じることがあります。

1,2年前、P2Pソフトウェアによる情報漏えいが毎日と言ってもよいほどニュース等で報道されたことは皆様の記憶に新しいかと思います。最近は真新しさもなくなってあまり話題になりませんが、まだ散見されます。これだけニュースになり、おそらく皆様の職場でもかなりの情報セキュリティ教育が行なわれ、業務で使用するPCだけでなく、個人のPCでもP2Pソフトウェアの使用は控えたほうがよいとの認識は全員が持っていると思います。

第30号コラム「第5回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

第30号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(株式会社フォーカスシステムズ 新規事業推進室 室長)
題:「第5回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

来る12月15日(月)、16日(火)の二日間、第5回目となるデジタル・フォレンジック・コミュニティ2008が開催されます。IDF設立後、5年目となる現在では、“デジタル・フォレンジック”という言葉もセキュリティ関係者や研究者であれば周知の用語として定着してきました。その適用分野や概念的にカバーする範囲も当初の“捜査・調査”主体のものから、内部統制やコンプライアンス等の“監査用証拠”の確認・検証・評価手段として、また、各種ITリスクへの事前防止やインシデントへの即応手段(※1)として、更には収集したフォレンジック・ログの経営分析への活用等の積極的な使用も始まっています。今後は、M&A検討の際の財務・資産調査や自らの情報公開等の裏付け証明としての適用や訴訟処理に関しても米国での“e-Discovery(訴訟の各当事者は互いに相手方に手持ちの電磁的証拠や情報を開示しなければならない)”の様な形態への対応も求められる趨勢となるものと思います。

第29号コラム「未来を創り出すデジタル・フォレンジック」

第29号コラム:澤田 忍 幹事(株式会社NTTデータ 公共ビジネス推進部 技術戦略部 セキュリティ技術推進担当)
題:「未来を創り出すデジタル・フォレンジック」

■情報化により創り出される未来

私は1970年代に生まれ、成長期に電子化・情報化による飛躍的な社会変化を体感した世代だ。パーソナルコンピュータは多くの家庭に普及し、大多数の人が携帯電話を保有する時代となったが、10年前、20年前にこの現実を想像していただろうか。普段の生活において手放せない携帯電話は、今や通話やメールのみならず、カメラ、交通チケットの予約、定期、金融取引、GPS機能など、本当に様々なことを実現するツールになっている。これだけ大きな変化を遂げるならば、次の10年、社会はどのように変化するのだろうかと夢が膨らむ。たとえば、

・携帯電話のさらなる多機能化と、その普及・定着

・サベイランスシステムの監視による安全な社会の実現

・センサータグにより人の見守りやトレーサビリティを実施

・ロボットによる重労働作業や単純作業のサポート

このように、近未来の夢と思われていることが、当たり前のように普及していてもおかしくない。

社会の発展に伴い、「情報セキュリティ技術」「プライバシーの保護」「法制度確立」の必要性がさらに高まることは想像に難くない。デジタル・フォレンジックの意義はますます大きくなるだろう。