第447号コラム:IDF事務局
題:「事務局便り」

IDF会員各位

 平素より大変お世話になっております。IDF事務局員の礒部と申します。
 IDF活動もお陰をもちまして第13期の最終四半期を迎えました。デジタル・フォレンジックの普及・啓発のための講演会、研究、出版や資料公開等といった活動を通じて、次第にデジタル・フォレンジックが社会の各分野へ浸透し、実用化されて参りました。これもひとえにIDF会員の皆様の日々のご参加、ご支援によるものと心より感謝しております。本日(2017年1月19日)現在、会員数は個人会員286、団体58、賛助(個人)3、学生7、特別会員(提携団体)3、省庁オブザーバー45(12省庁)と規模を拡大してきております。

 また、昨年の12月12日(月)、13日(火)に実施致しましたコミュニティ2016につきましても、お陰様で募集定員(300名)を超える方々のご参加を賜り、盛況のうちに終了することができました。ご来場頂きました皆様、ご後援・ご協賛頂きました皆様に改めまして厚く御礼申し上げます。当日配布資料や開催実績等を収録し製本致します「コミュニティ2016報告書」は、例年同様に2月初旬頃の完成を予定
しております。完成致しましたらIDF会員の皆様へ1冊ずつお送り致しますので、ご査収下さいますようお願い致します。
※各年のコミュニティの報告書は販売も行っております(会員価格1,500円、一般価格2,000円)。ご希望の方は、IDF事務局( info@digitalforensic.jp )へお申し付け下さいませ。

 さて、今回の第447号コラム「事務局便り」では、現在の主なIDFのWG活動をいくつかご紹介させて頂きます。

(1)「証拠保全ガイドライン第6版」について

 各省庁や民間企業の皆様に参考資料としてご活用頂いております「証拠保全ガイドライン」は、IDF WEBサイトにて「第5版」を公開しております。現在、名和利男理事が座長を務める「証拠保全ガイドライン」改訂WGにて、第6版の公開に向けた改訂作業を進めており、今春公開の予定でございます。第6版ではAPT攻撃等、最新のサイバー攻撃動向についての紹介や事例、IoTやクラウドに関するフォレンジックについて加筆する予定ですので、公開まで今しばらくお待ち下さいませ。

(2)「医療」分科会のWG活動及び成果物について

 IDF「医療」分科会では、WG1及びWG2がそれぞれ成果物の公開に向けて準備を進めております。

 WG1では今期のテーマとして「地域医療・介護連携」を掲げ、地域医療・介護連携圏の統括組織体の管理者に向け、どのような組織運営ポリシーを策定すべきかという観点より、日本IHE協会等を中心とした団体とともに、協議・検討を行っております。3月迄にIHE協会とIDF連名での「IHE日本版地域医療連携組織のためのポリシー作成ガイド」が公開され、その中にデジタル・フォレンジックの必要性も盛り込まれております。

 WG2では昨年に引き続き米国での医療分野へのe-Discoveryの適用を含めて、医療現場におけるフォレンジック技術の活用可能性を検討して参りました。加えて今期は個人情報の保護に関する法律の改正を背景に、改正法の全面施行の際には以前にも増してフォレンジック技術の利用場面が増えることが予想されることから、IDF「医療」分科会WG2として、医療分野における論点を改めて整理し、提言書としてまとめる作業を行っております。この提言書も3月迄に公開する予定です。

(3)「日本語処理解析性能評価」の実施について

 IDF「日本語処理解析性能評価」分科会では、デジタル・フォレンジックやeディスカバリの使用に供する検索・解析ソフトウェアに関し、日本語情報に対する処理・解析性能を評価するための有効な指標を作成し、客観的な評価の実施を可能とする目的で、第11期より活動を進めて参りましたが、本年1月に「日本語処理解析性能評価」を2製品(2社)で実施致します。
 評価実施の結果につきましては、受検企業名等をIDFのWEBサイトにて公表し、結果等につきましては、受検企業のWEBサイトでの公開を予定しております。
 第14期以降も適宜「日本語処理解析性能評価」を実施して参りますので、ご興味を持たれた企業様におかれましては、ぜひIDF事務局までご連絡下さいませ。

(4)「DF普及状況調査」WG活動のご紹介

 IDFでは、今期より「DF普及状況調査」WGの活動を開始致しました。
 本WGは、官民でのデジタル・フォレンジック製品やサービス等の導入状況・使用状況に関する近年のデータを収集し、デジタル・フォレンジックがどのように使われているか、どのように認識されているか、どのくらいの範囲で使われているか等を調査・報告することを目的として始動致しました。本年度はコミュニティ2016参加者へのアンケートや交流会でのリアルタイムWEBアンケートを実施し、その結果を報告書等にまとめることを予定しております。
 また、単年度の調査で終わらず、毎年、定性的、定量的に経年変化に関するデータを収集できるよう、現在検討を進めております。

(5)「データ消去」分科会活動の波及

 IDF「データ消去」分科会は昨年2016年5月で「証拠保全先媒体のデータ抹消に関する報告書」の公開をもって活動を休止しておりますが、2016年12月に一般社団法人日本コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)のデータ消去証明推進研究会より、データ消去標準化ガイドラインの作成を進める際にIDFの「証拠保全先媒体のデータ抹消に関する報告書」を参考にすると共に、IDFとの連携を図りたいとのご要望を頂き、現在、IDFとCSAJデータ消去証明推進研究会の共同検討がスタートしております。その成果物はCSAJより公開される予定です。

 事務局便りは以上となります。
 尚、残り少ない今期のIDF活動と致しましては、「技術」「法務・監査」分科会等の開催を予定しております。詳細が決定し次第、会員の皆様へ随時ご案内差し上げますので、皆様の積極的なご参加をお待ち申し上げております。
 その他、IDF活動に関するご不明点等がございましたら、IDF事務局( info@digitalforensic.jp )へお問い合わせ下さいませ。IDF会員の皆様のご期待にお応えできるよう、事務局員一同、今後も鋭意努力致す所存でございますので、より一層のご支援とご参加を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

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