法務・監査 分科会
(各分科会の活動内容についてはこちらをご覧下さい)

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この度の分科会にて配布した資料につきましては、公開の予定はございません。
何卒ご了承下さいますようお願い致します。
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開催日時:平成28年8月9日(火) 19:00~21:00
題目:「デジタル証拠法を俯瞰する 刑事訴訟編」
講師: 吉峯 耕平 氏
(田辺総合法律事務所 パートナー弁護士)
開催場所:東京都南部労政会館 第6会議室

※参加費無料(要事前登録)

■講師
吉峯 耕平 氏
(田辺総合法律事務所 パートナー弁護士)

■ご講演内容
デジタル・フォレンジックには様々な定義があるが、forensicsという以上、法廷での事実認定に供されることが想定されているはずであり、解析結果が訴訟法上どのように位置づけられるのかを解明することが必須となろう。
例えば、オリジナルHDDと複製HDDの論理的同一性を証明するためにハッシュ値を記録することが多いが、このような同一性の立証が欠けた場合に、裁判所の判断はどうなるのか。この問題に答えるためには、裁判に提出される様々な形態のデジタル証拠が、裁判所にいかに評価されるのかを踏まえる必要がある。
すなわち、デジタル・フォレンジックはデジタル証拠の一種であり、広く「デジタル証拠法」を考察した上で、その中に位置付けなければならないのである。
デジタル証拠法は、本来、民事・刑事を横断的に検討する必要があるが、今回は、刑事訴訟法におけるデジタル証拠法を概観した。様々な形態のデジタル証拠の提出方法に応じて、原本や証拠能力の規律が変動し、証明力の評価にも影響をあたえる。また、理論化が停滞する中でデジタル証拠が実務に普及した結果、捜査機関の失策が重なり威信の低下を招いたこと、今後の捜査のあり方の方向性についても触れた。

■講師紹介
東京大学経済学部出身。平成17年から田辺総合法律事務所。
デジタル証拠などIT関係の法律のほか、医事法、統計的・経済的証拠などの分野について、趣味的な研究を行いながら、実利(お金)に繋がることを祈っている。
第一東京弁護士会総合法律研究所IT法研究部会副部会長、(一財)保安通信協会調査研究部会デジタル・フォレンジック分科会委員、(独)国立病院機構埼玉病院受託研究(治験)審査委員会・倫理委員会委員。主要著作:「デジタル・フォレンジックの原理・実際と証拠評価のあり方」(季刊刑事弁護77号・共著)、『デジタル証拠の法律実務Q&A』(日本加除出版・編集共著)、『病院・診療所経営の法律相談』(青林書院・編集共著)、「株式取得価格決定におけるマーケットモデルを用いた回帰分析の具体的な方法論-レックス事件を題材に-」(商事法務 No.2071・共著)

■ご講演風景
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刑事訴訟でのデジタル証拠について、民事訴訟との比較も交えて詳しくご講演頂き、
質疑応答も活発に交わされました。

■開催場所 東京都南部労政会館 第6会議室 地図は【こちら

■参加者数  80名

■参加費  無料(要事前登録)