第432号コラム:手塚 悟 理事(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授)
題:「第3回慶應義塾大学サイバーセキュリティ研究センター行事『サイバーセキュリティ国際シンポジウム』について」

昨年の8月に慶應義塾大学が全塾研究センターとして「サイバーセキュリティ研究センター」を設立し、その記念行事として、今年の2月29日(月)に開催したサイバーセキュリティ国際シンポジウムを、第405回コラム「題:『サイバーセキュリティ国際シンポジウム-重要インフラ対策とTOKYO2020に向けた戦略-』に参加して」にて紹介しました。

その後、小生がこのサイバーセキュリティ研究センターに携わることとなり、4月から慶應に移りました。サイバーセキュリティ研究センターの企画として、今後「サイバーセキュリティ国際シンポジウム」をシリーズ化することになり、第2回目を米国大使館と共催で、5月17日(火)に開催しました。

今回のコラムでは、このシリーズ化の第3回目として、11月1日(火)、2日(水)の2日間に渡り、国際標準化団体のOASISと共同でサイバーセキュリティ研究センターが開催するシンポジウムについて紹介します。

このOASISは、サイバーセキュリティのインシデントの情報共有を可能とするSTIX/TAXIIの標準化を推進する機関であり、9月には欧州での普及のために、ブリュッセルにてサイバーセキュリティ国際シンポジウムを開催しました。今回は、アジアにおいて、STIX/TAXIIを普及させるために、サイバーセキュリティ研究センターと連携して開催することとなりました。

内容に関しては、OASISの下記ホームページに掲載されているプログラムを参照いただくとお分かりいただけると思いますが、日米英の産官学の主要メンバによる講演やパネルディスカッションを行います。
http://borderlesscyber.oasis-open.org/asia16

今回の目玉となるテーマとしては、特に3つあります。
1.InterNational Cyber Security Center of Excellence (INCS-CoE)
日米英の主要大学をメンバとしたサイバーセキュリティの国際版CoE設立のお披露目をする。

2.Automated Indicator Sharing (AIS)
米国のDepartment of Homeland and Security (DHS)が参加募集をしているAISの実証に関して、DHSの担当者が直接説明する。その後、パネルディスカッションも予定している。

3.Privacy
日本においては、「改正個人情報保護法」施行のために、現在小生が委員をしている個人情報保護委員会が、規則・ガイドラインを作成しているので、その状況について説明する。その後、マルチステークホルダによるパネルディスカッションも行う予定である。

以上のことより、今回の第3回サイバーセキュリティ国際シンポジウムは、サイバーセキュリティに対する日米英の取り組み状況を知るとともに、最新の技術トレンド等を知る大変良い機会になると考えています。本シンポジウムに、多くの皆様が参加されることを期待しております。

【著作権は、手塚氏に属します】