第6期
第73号コラム「文献にもるリスクと人間」
佐々木 良一(東京電機大学 未来科学部 教授、IDF理事)
デジタルフォレンジックを含むITシステムの「リスク」の研究をしている関係から、リスクに関連する文献を読むことが多い。リスク (risk) という言葉は、経済学、社会学、心理学など多くの分野で使われており、その定義は少しずつ違うが…
第72号コラム「情報新時代に求められる教養と人材育成―総合力と止揚力」
辻井 重男(IDF会長、中央大学 研究開発機構 教授)
下記の文章は、昭和16年12月8日、真珠湾攻撃成功のニュースに接したある文芸評論家の日記である。誰の文章かお分かりだろうか。
「妙に静かに、ああこれで言い、これで大丈夫だ、と安堵の念の湧くのを覚えた。この開始された米英相手の戦争に、予想のような重っ苦しさはちっとも感じられなかった。
第71号コラム「第6回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」
丸谷 俊博(IDF理事・事務局長)
今期(第6期)のIDF活動も年度計画に示しております各分科会やワーキング等の諸活動が役員及び会員のご協力、ご支援のもとに逐次実施されておりますことを嬉しく思っております。どうも有り難う御座います。
今年のデジタル・フォレンジック・コミュニティ2009は、「事故対応社会におけるデジタル・フォレンジック ― それでも起こる情報漏洩に備える ―」をテーマとして
第70号コラム「大容量化するデータの中から」
芝 啓真(株式会社フォーカスシステムズ フォレンジックセキュリティ室、IDF幹事)
昨今、ハードディスク(HDD)の容量は増加の一途をたどっています。まだ私が学生だった頃は、“ギガバイト(GB)”と聞くと非常に大きなデータ量だと感じていました。しかし、最近では1テラバイト(TB)の容量を持つレコーダが発売されたり、小さなモバイルPCにも
第69号コラム「e-Discovery対応現場にて」
西山 俊彦 氏(株式会社UBIC、IDF幹事)
米国での企業が巻き込まれる訴訟とはどのようなことを思い浮かぶでしょうか。まず訴訟の種類ですが、特許関連のものが一般的には多くなっています。アンチトラスト、カルテルなどもありますが、そのなかでも最近の傾向として注目されているのは、