第151号コラム「自治体におけるデータバックアップとフォレンジック」
第151号コラム: 上原 哲太郎 理事(京都大学 学術情報メディアセンター 准教授、IDF「技術」分科会主査)
題:「自治体におけるデータバックアップとフォレンジック」
東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。阪神淡路大震災での被災者の一人として、あの時のご恩をお返しする時だと考え、自分に今できることをずっと自答し続ける日々を過ごしています。
今回の震災では、特に三陸沿岸部の大きな津波被害が問題となりました。この影響で、いくつかの自治体では自治体機能そのものが大きな打撃を受けています。阪神淡路大震災では情報の混乱、物資流通の混乱により救援活動の初動に課題を残したという反省から、災害時には各基礎自治体が情報と物資流通を整理する役割を果たすような体制が組まれていましたが、その機能が完全に失われるという事態は特に初期の救援体制に大きな影響を及ぼしたと思われます。特に、現在の自治体業務は電算化が進んでいますので、情報システムの喪失は自治体の機能停止を意味します。中でも、住民基本台帳システムは多くの自治体情報システムが参照する中核的役割を果たしていますから、これの喪失は自治体機能の再建への大きな障害となってしまいます。
