第152号コラム「東北地方太平洋沖地震から考察するダメージコントロール」

第152号コラム: 守本 正宏 理事(株式会社UBIC 代表取締役社長)
題:「東北地方太平洋沖地震から考察するダメージコントロール」

1000年に一度とも言われる地震と津波の発生とそれに伴う原発事故により東北地方と関東北部の太平洋岸では戦後最大の甚大なる被害がでました。地震が発生した当日ちょうど私は出張で米国にいました。ホテルに帰って仕事をしていると、ウェブサイトで地震発生の知らせが入りましたが、当初はどうせいつものことであろうと気にしていませんでした。ところが数分後、私の妻から電話がかかり、すぐ直後に会社からも電話が入りました。ようやく事の重大性を理解し、必要な処置を米国から日本にいる弊社スタッフに対応に関する指示をだしました。運よく、海外からの回線は国内の回線より比較的通じやすかったので情報の伝達は日本にいるよりもスムーズにできたのが幸いでした。
 米国ではいつもは日本に関連するニュースなどほとんど流れないのですが、地震・津波発生の瞬間を境に毎日24時間にわたって日本の地震・TSUNAMI・原発のニュースを流すという状況になりました。

第151号コラム「自治体におけるデータバックアップとフォレンジック」

第151号コラム: 上原 哲太郎 理事(京都大学 学術情報メディアセンター 准教授、IDF「技術」分科会主査)
題:「自治体におけるデータバックアップとフォレンジック」

東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。阪神淡路大震災での被災者の一人として、あの時のご恩をお返しする時だと考え、自分に今できることをずっと自答し続ける日々を過ごしています。

今回の震災では、特に三陸沿岸部の大きな津波被害が問題となりました。この影響で、いくつかの自治体では自治体機能そのものが大きな打撃を受けています。阪神淡路大震災では情報の混乱、物資流通の混乱により救援活動の初動に課題を残したという反省から、災害時には各基礎自治体が情報と物資流通を整理する役割を果たすような体制が組まれていましたが、その機能が完全に失われるという事態は特に初期の救援体制に大きな影響を及ぼしたと思われます。特に、現在の自治体業務は電算化が進んでいますので、情報システムの喪失は自治体の機能停止を意味します。中でも、住民基本台帳システムは多くの自治体情報システムが参照する中核的役割を果たしていますから、これの喪失は自治体機能の再建への大きな障害となってしまいます。

第150号コラム「コミュニケーションギャップとデジタル・フォレンジック」

第150号コラム:秋山 昌範 理事(東京大学 政策ビジョン研究センター 教授)
題:「コミュニケーションギャップとデジタル・フォレンジック」

 東北関東大震災により被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

1)立場による視座の違い
 さて、現在の我が国は厳しい財政事情下にあり、超高齢化社会を迎えた社会保障改革は大きな課題である。そこで、医療の仕組みも改良する必要があるが、その過程で医療関係者だけでなく、患者からも一般国民からも信頼を得ることが必須であり、客観的なデータに基づく議論が必要である。またそのデータは正確であることが前提である。関係するステークホルダにとって、医療費の値上げ等、将来の見直しは、それぞれ痛みを伴いものになる可能性が高いため、継続的再評価(自己評価、客観評価)が必須であり、そこには信頼性が伴わなければならない。医療提供側の医療機関と患者・国民側には、その認識に大きなギャップがある。また、医療提供側間にも、医師、看護師、薬剤師やその他のコメディカル間にも、認識にギャップがある。これらは、それぞれの立場で得られる情報の量(広さ)や質(深さ)に差があることに起因している。そのために、それぞれの立場間の視座の違いを認識していないと、不毛な対立を生むことになり、改革が進まない。