第153号コラム「不作為は作為のリスク軽減や回避にならない」
第153号コラム:佐藤 慶浩 理事(日本ヒューレット・パッカード株式会社 個人情報保護対策室 室長)
題:「不作為は作為のリスク軽減や回避にならない」
「作為」と「不作為」という言葉がある。大まかには、作為の罪とは、禁止行為をすることへの罪。不作為の罪とは、なすべき行為をしなかったことへの罪。ということになる。
これを、悪いことをした罪と良いことをしなかった罪のようにとらえてしまうと、なんとなく、前者はマイナスで後者はプラスマイナス・ゼロのように見えてしまい、不作為の罪は作為の罪より比較的軽いのではないかという感じがしてしまうが、そんなことは決してない。どちらも同罪となる。
ただ、それを理解してもなお、ある行為をすることにもリスクがあり、しないと不作為が問われるリスクがあるような場合には、不作為は作為のリスクの軽減や回避になるように思ってしまうことが考えられる。しかし、「不作為は作為のリスク軽減や回避にならない」ことは自明のはずであるのだが・・・それを検証してみよう。
