コラム
コラム第834号:「史上最大規模の暗号資産流出事件と組織的犯罪処罰法」
第834号コラム:北條 孝佳 理事(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー 弁護士) 題:「史上最大規模の暗号資産流出事件と組織的犯罪処罰法」 1 はじめに これを読まれる方の大半は、2018年に発生した史上最大規模の約580億円相当の暗号資産が流出した事件(以下「暗号資産流出事件」という。)をご存じであろう。この事件の犯人は捕まっていないが、関連する取引を実行した複数人が摘発され、1件は最高裁で有罪が確定し、少なくとも2件は2024年7月末時点で裁判中である。この裁判の争点の一つは、サイバー犯罪特有の国外が絡む問題であるため紹介する。
コラム第833号:「~ 防衛庁(省)・自衛隊の発足70周年記念日を経て ~ 気になったこと~ 毎日の変化と「新たな伝統」に向けて」
第833号コラム:西川 徹矢 理事(笠原総合法律事務所 弁護士) 題:「 ~ 防衛庁(省)・自衛隊の発足70周年記念日を経て ~ 気になったこと~ 毎日の変化と「新たな伝統」に向けて」 7月1日 防衛庁(省)・自衛隊の発足70周年記念日を迎えた。所要があり式典そのものには参加できなかったが、防衛庁に席を置いた者として、関心をもってマスコミ紙等の報道記事を追った。
コラム第832号:「昨今の組織内の不祥事と”Broken Windows”」
第832号コラム:舟橋 信 理事(株式会社FRONTEO 取締役) 題:「昨今の組織内の不祥事と”Broken Windows”」 ”Broken Windows”と言う言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。警察関係者には、ご存じの方も多いのではないかと思います。 ”Broken Windows”は、ハーバード大学教授のジェームズ・ウィルソンとジョン・F・ケネディ行政大学院リサーチフェローのジョージ・ケリングが、月刊誌「アトランティック・マンスリー」の1982年3月号に発表した論文のタイトルで、サブタイトルは”The police and neighborhood safety”です。国内では「割れ窓理論」などとして知られております。 同理論は、建物の割れた窓を放置しておくと、通行人が誰も気にしないと考え、さらに壊され、その周りの環境が急速に悪化し、さらなる犯罪や無秩序が広がるというものです。つまり、小さな違反行為や無秩序を放置すると、それが社会全体の治安や秩序の悪化につながるとされています。
コラム第831号:「地政学リスクによるサイバー脅威の分類」
第831号コラム:名和 利男 理事(株式会社サイバーディフェンス研究所 専務理事/上級分析官) 題:「地政学リスクによるサイバー脅威の分類」 近年、サイバー空間が国家間の新たな戦場となり、地政学リスクとサイバー脅威の関連性が強まっています。本コラムでは、地政学的な観点からサイバー脅威を分類し、その特徴と影響について考察します。
コラム第830号:「ウクライナ情勢から学ぶこと」
第830号コラム:手塚 悟 理事(慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート 特任教授) 題:「ウクライナ情勢から学ぶこと」 昨今の世界情勢を概観すると、ここ数年に渡る米中の覇権争いが激しさを増してきた中で、2022年2月24日からロシアのウクライナ侵攻が始まり、早2年半が過ぎようとしている。現在はロシアとウクライナの間で一進一退の攻防が続いている。 また一方、2023年10月7日にパレスチナのガザ地区を実質統治しているハマスによりイスラエルに対する前例のない攻撃が開始され、戦闘は終わりが見えない。 このような世界情勢の下、我が国の周辺では、中国による台湾への侵攻、いわゆる我が国の周辺で起こるであろう課題が相当な確率で起きようとしている。 そこで、特にウクライナ情勢を学ぶことで、我が国の周辺で起こるであろう危機に対する我が国の備えを早急に構築する必要がある。