第21期
コラム第840号:「手術支援ロボット」
第840号コラム:和田 則仁 理事(神戸大学大学院 医学研究科医療創成工学専攻 特命准教授) 題:「手術支援ロボット」 多くの方は手術支援ロボットのda Vinciをご存知でしょう。初期のモデルは2000年に日本に入りましたが、新しいモデルは2008年に輸入され、2012年から前立腺全摘で保険適用となりました。ロボットといっても工場の産業用ロボットのように、ロボットが自動的に動いて手術をするわけではなく、術者がロボットアームを直接操作して手術が行われます。ロボット支援手術は、牛丼とは異なり「遅い」、「高い」ことが特徴です。腹腔鏡手術とロボット支援手術を比べたランダム化比較試験はいくつか報告されていますが、すべての試験でロボット支援手術はコストが高く、手術時間もロボット支援手術で延長することが示されています。もちろん牛丼の「美味い」に相当する「上手い」が証明されれば、コスト高で手術時間が長くても許されるといえますが、手術の成績(アウトカム)は両者で同等となることがほとんどです。なぜなら、腹腔鏡手術とロボット支援手術は、道具の違いだけで、体内でやっていることはほぼ同じだからです。
「若手活動WG」講演会(第21期第1回)
■開催日時: 2024年11月8日(金)19:00~20:30
■演題
講演1:「コミュニティとともに磨くキャリア」
講演2:「大和セキュリティOSSツールとコミュニティナレッジを活用したDFIR」
■講師
高橋 福助 氏
(株式会社NTTデータグループ NTTDATA-CERT、大和セキュリティ)
コラム第839号:「研究インテグリティとデジタル・フォレンジック」
第839号コラム:守本 正宏 理事(株式会社FRONTEO 代表取締役社長) 題:「研究インテグリティとデジタル・フォレンジック」 世界各地で起きている紛争や数か月後に控える米国大統領選挙など、緊迫感が増す国際情勢を背景に、企業の調達リスクや各国の規制による制裁リスクが一層高まっております。 これら地政学リスクへの事後対策だけでなく、対応の遅れがビジネスの機会損失に繋がる懸念が増しており、民間企業のサプライチェーンリスクの可視化ニーズも高まっております。米国の税関・国境取締局による輸入差し止めを回避するための対策や、海外からの調達を安定化させる対策の必要に迫られています。 また、経済安全保障上の重要技術に関する技術流出防止策において、重要な技術を適切に管理することが喫緊の課題として政府による提言や対策が行われており、研究者をはじめ、所属先となる大学や研究機関、企業も同様にリスク管理の重要性、必要性が高まっております。
コラム第838号:「身近なセキュリティ2024 ~自然災害とセキュリティ~」
第838号コラム:宮坂 肇 理事(NTTデータ先端技術株式会社 セキュリティ&テクノロジーコンサルティング事業本部サイバーセキュリティ インテリジェンスセンター センター長 Principal Scientist) 題:「身近なセキュリティ2024 ~自然災害とセキュリティ~」 9月1日は「防災の日」として各種団体をはじめとして広く国民が災害(台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波等)についての認識を深めるとともに備えを充実することにより災害の未然防止と被害軽減等に資するために制定された日である。この日は、1923年9月1日午前11時58分に関東地方一帯が襲われ大規模な被害が発生した関東大震災が起こった日である。防災の日には全国各地で防災訓練が行われており、筆者の居住している地域の自治会でも、各家の安否確認や避難所へ集合するなどの相互扶助の取り組みを実施している。 本コラムでは、昨今発生している災害について振り返りながら、セキュリティに関連する備えについて記してみたい。