第517号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(株式会社フォーカスシステムズ 新規事業推進室 室長)
題:「第15期IDF活動について」

IDF事務局長の丸谷です。今期はIDF設立から15年目となります。本研究会はIT機器・技術の進歩による情報化社会への動きが急激に拡張し出し、個人情報漏洩やウィルスの蔓延等の様々な情報セキュリティ上の課題の顕在化とインシデント発生時の早急な原因究明と対策が求められるようになった2004年に、デジタル・フォレンジックがこれらへの対応に必須となると信じる設立役員22名によりデジタル・フォレンジックの普及・啓発を目指して日本で初めて設立されました。

当時は、ネットで検索してもデジタル・フォレンジックという言葉すらヒットしませんでしたが、現在は、あらゆる情報セキュリティやサイバー関連検索でヒットするだけでなく、各省庁等の白書への記載や経済産業省の情報セキュリティサービス審査基準では4つの大分類のうちの1つがデジタル・フォレンジックになる等、あらゆる情報セキュリティ分野での必須構成要素として認知され、マスコミにも度々取り上げられる時代となりました。隔世の感があります。

これまで当研究会活動を積極的に進めて下さいました歴代役員各位と諸活動に積極的にご参加下さいました個人・団体の会員の皆様、省庁オブザーバーの皆様、そしてIDF活動へご後援や各種の様々なご支援を賜りました関係省庁、公的法人・機関等の方々に厚く御礼申し上げます。

第15期のIDF活動は、5/18(金)の第15期総会にてもご説明致しましたが、第14期に企画事業としてスタートした「法曹実務者会合」を分科会に格上げし、法曹界へのデジタル・フォレンジックの普及・啓発を裁判所や日弁連とも連携して進めてゆく他、「技術」分科会では、日本シーサート協議会(NCA)と連携してNCA会員へのデジタル・フォレンジックの浸透を図るための講演(既に4月に大阪で実施、6月に京都、9月に東京)や意見交換(9月)を実施して「証拠保全ガイドライン」の社会各所への普及と各現場での状況認識をガイドライン改訂に反映させる動きが取られています。また、東京以外でのIDF活動として講演会を関西地区他で実施し、関東圏以外の地域でIDF活動の認知を深めて頂き、併せて会員の獲得に繋げる活動も具体化して参ります。

お詫び:5月総会時に公開予定でした「証拠保全ガイドライン〔第7版〕」は、改訂WG座長の名和様繁忙につき公開準備作業が遅れております。準備が整い次第公開致しますので暫くお待ち下さい。

8/21(火)には、IDFが15周年を迎えたことを記念して10周年時と同様に表彰状(【普及・啓発賞】、【研究開発賞】、【社会的貢献賞】等)贈呈とIDF活動への支援等に対して感謝状贈呈を行い、その後、招請講師も交えたシンポジウムを実施致します。尚、本イベントは現在、企画等調整中ですので整いましたら皆様に開催をお知らせ致します。

この他、15周年を記念して、一般の方にも手軽に読んで頂けるデジタル・フォレンジックに関する新しい書籍(これまでの事典とは別のより安価で読み易いもの)を執筆し、2019年春季に刊行する企画も安冨会長の下で具体化検討が進んでおります。

第15期の通常活動は、各分科会計画による講演会やワーキング活動、毎週のコラム発信を継続する他、9月に第8回IDF講習会、12月にデジタル・フォレンジック・コミュニティ2018を開催致します。

第8回IDF講習会は、6/1(金)に開催情報を公開致しました。IDF講習会は、お陰様で年を経る毎に受講者が増えてきております。今回は、IDF主催コース3つを含み通常コース(TKP市ヶ谷)が2日間で計16。各社の準備場所で実施する簡易トレーニングが、昨年より5コース増の11コースと充実した他、名古屋でのコースも設定されました。詳しくは、6/1(金)に公開し、受講受付も開始しております第8回IDF講習会の開催案内をご覧下さい。会員各位のご参加を歓迎すると共に皆様の知己や一般の方々にもご紹介下さいますようお願い致します。

デジタル・フォレンジック・コミュニティ2018は、2018/12/10(月)、11(火)にグランドヒル市ヶ谷で開催致します。開催案内は例年同様に9月初頭の公開と参加受付開始を予定しています。

この他、第13期から開始した日本語処理解析性能評価も順次、受検製品も増えてきており、その評価結果は、当該製品の導入を検討される場合や、当該製品の特性を把握した上で各種ツール類の最適な使用方法の使い分け、そして開発元への改修・改善要望の根拠としての活用が行われています。第15期においても2回以上の日本語処理解析性能評価を実施して参ります。評価受検及びご協力を頂いております各企業に厚く御礼申し上げます。

第15期のIDF活動は、上述の通り、各分科会活動等により引き続きデジタル・フォレンジックの参考資料等の作成を進めると共に会員だけでなく関係他団体や組織・機関と連携してデジタル・フォレンジックのより一層の社会各分野への普及・深化を図って参ります。

会員、オブザーバー各位におかれましては、IDFの諸活動への積極的なご参加、ご支援をお願いすると共に各種のご意見、ご提言をIDF事務局( office@digitalforensic.jp )迄お寄せ下さいますようお願い致します。頂きましたご意見やご提言は、IDF役員へ通知すると共に理事会等で検討致します。

補足:開催日が決まっている分科会活動等

第15期第1回「法務・監査」分科会 ※参加受付中
開催日時:平成30年6月25日(月)19:00~21:00
場所:東京都南部労政会館 第6会議室
テーマ:「Webサイトのブロッキングにおける技術的・運用上の課題」
講師:上原 哲太郎 氏(立命館大学 情報理工学部 教授、IDF副会長)

第15期第1回「DF人材育成」分科会 ※開催案内準備中
開催日時:平成30年7月25日(水)19:00~21:00
場所:東京都南部労政会館 第6会議室
テーマ:「DF実務企業における人材育成事例紹介」
事例紹介企業:(株)FRONTEO、(株)ディアィティ、(株)ラック
佐々木主査:東京電機大学のCySec及びCySec-Proの紹介 等

第15期第1回(通算4回目、計5製品目)日本語処理解析性能評価
実施日時:平成30年6月29日(金)
受検製品:Niux(AOSリーガルテック(株))
※「FinalForensics(AOSリーガルテック(株))」の評価実施は8月上旬予定

【著作権は、丸谷氏に属します】