第204号コラム「デジタル画像とフォレンジック」

第204号コラム:上原 哲太郎 氏(総務省 情報通信国際戦略局通信規格課 標準化推進官、IDF会員)
題:「デジタル画像とフォレンジック」

ご無沙汰いたしております。前回コラムを担当させていただいた際にご挨拶した通り、昨年10月から総務省に移って半年ほどが経ちました。慣れない官僚仕事ではありますが、なんとか元気にやっております。デジタル・フォレンジック研究会の理事からは退きましたが、またコラムを書かせていただく機会をいただき、感謝いたしております。

いきなり私事から始めますが、昨年末に、デジカメを買い換えました。F600EXRが型落ちになりかかっていて、2万円まで下がっていたので衝動買いしてしまいました。さらに勢いで、無線LAN付きSDカードのEye-Fiも買いまして、毎日写真を撮りためています。手軽に質の高い写真が撮れて、カメラのGPS機能により場所と時刻が記録でき、しかもEye-Fiによって自動的にパソコンとクラウドに転送され日付別に整理されているとなるとなかなか快適で、スマホで撮るのも併せるとおびただしい数の日常写真が蓄積されていくようになりました(毎日10枚前後)。こんな状況になっておられる方は多いのではないでしょうか?

このようにライフログデータとして蓄積されたデジタル画像は、人の行動の記録を多く残しているという意味でフォレンジックの対象としての重要性は増してくるでしょう。そこで今回は、デジタル画像をフォレンジックの対象とする際の技術的課題について、思いつくまま五月雨に並べてみます。

第203号コラム「IPv4/v6共存環境下でのネットワーク・フォレンジック」

第203号コラム:佐々木 良一 会長(東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 教授)
題:「IPv4/v6共存環境下でのネットワーク・フォレンジック」

最近、新しいタイプのサイバー攻撃が、政府や企業にとって大きな脅威となってきているのはご存じのとおりである。従来の攻撃が不特定多数を対象にするのに対し、新しい攻撃は重要性の高い組織や個人を標的に、執拗かつ継続的に攻撃を行う。攻撃の多くは国家の指示または資金援助によって実施されていると言われている。過剰に反応すべきではないが、平時のサイバー戦が既に始まっているという認識は持たざるを得ないだろうとも思う。

ご存知のように三菱重工や衆議院への攻撃は以下のようにして行われた。
〈①初期侵入段階〉いかにも本物のように偽装したメールを、狙いをつけた個人のパソコンに送るメールの添付ファイルには、ウイルスが含まれており、不用意に開くと、感染する。
〈②侵入範囲拡大段階〉ウイルスは、外部から新しい攻撃命令を受けたり、「武器」に相当する
プログラムをダウンロードしたりしながら増殖する。侵入したパソコンがつながったネットワーク内に、攻撃を受けやすい欠陥があると、そこを通じて次々にサーバーやパソコンを感染させ、命令通りに動くようにしていく。
〈③目的達成段階〉ウイルスに感染したサーバーなどから機密情報を取り出し、各種の手段で外部へ送り出すなどの不正行為を行う。