第208号コラム「ディスカバリの理念とハイテク技術」
第208号コラム:守本 正宏 理事(株式会社UBIC 代表取締役社長)
題:「ディスカバリの理念とハイテク技術」
昨今のディスカバリにおいては企業のもつ情報のほとんどが電子データであるということから、ディスカバリにはハイテク技術が必要不可欠になりました。その理由は書面情報がほとんどの時代に比較して電子データの情報量が圧倒的に多くなったことと、その取り扱いが高度に複雑になっていることによります。いまやハイテク技術がなくては、特に大量の電子データをもっている企業においては訴訟も戦えない時代になっています。
ここであらためてディスカバリの持つその理念について考察したいと思います。ディスカバリの理念の一つとして公平性が挙げられます。訴訟を有利に進める事ができるか否かはお互いが持っている証拠にも大きく依存していますが、証拠収集能力は、訴訟当事者の能力によって大きく差異が出てきます。例えば日本の訴訟制度では患者と病院間での医療訴訟等において組織力も専門的知識もない個人が病院側の証拠を提出させることは非常に困難であり、個人と病院では公平な裁判はかなり困難だと予想できます。その場合、仮にディスカバリ制度があれば、たとえ個人でも病院側に対して彼らが持っている証拠を強制力をもって自主的に提出させる事が可能になります。つまり公平性が保てる事になります。
