第113号コラム「医療分野におけるデジタル・フォレンジックへの期待-アメリカの一事例から-」
第113号コラム: 佐藤 智晶 幹事(東京大学政策ビジョン研究センター 特任助教)
題:「医療分野におけるデジタル・フォレンジックへの期待-アメリカの一事例から-」
本コラムでは、医療分野におけるデジタル・フォレンジックの適用可能性に関連して、アメリカの事例を紹介する。そして最後に、デジタル・フォレンジックへの期待を述べる。
医療分野におけるデジタル・フォレンジックといっても、場面はさまざまであろう(中安一幸幹事「第107号コラム「医療」分科会第7期の活動にあたり」を参照)。診療はもちろん医学研究でも、インシデントレスポンスや訴訟が問題となる可能性を否定できない。本稿では、そのなかでも処方せんに関連する問題を取り上げる。
アメリカでは、処方せんを利用した薬剤給付管理が進んでいる。薬剤給付管理とは、誤解を避けずにごく簡単に言えば、個人識別情報を除去した後の処方せんをデータ・マイニングして、その情報に基づいて医師に最善の薬剤処方を促すための重要な業務である。医師と患者はもちろんのこと、製薬会社にとっても薬剤給付管理は欠かせない。製薬会社は、データ・マイニングの結果に基づいて、医師に効果的な販売促進活動ができるからである。
