第248号コラム「“MASAMUNE”の挑戦」
第248号コラム:沼田 理 氏(株式会社データサルベージコーポレーション)
題:「“MASAMUNE”の挑戦」
【“MASAMUNE”ってなに?】
“MASAMUNE”とは、弊社が開発した、Software Duplicator of the DR (Data Recovery), by the DR, for the DR (データ復旧屋による、データ復旧のための、データ復旧屋が電子記録媒体を複製するためのツール。弊社ではあえて、ソフトウェア・デュプリケータと呼びます)です。
データ復旧(DR)の世界でも、デジタル・フォレンジック(DF)の世界の証拠保全と同じように、お預かりした電子記録媒体の原状の保全を目的としてクローンを作成し、実際のデータ復旧作業(論理処理)はクローンに対して行うことが基本になっています。
クローンとクローン元(オリジナル)の媒体との整合性をハッシュ値などによって証明することは必要とされていませんが、それ以外に必要とされる機能・要件については、ほとんど同一といえると思います。
注:“MASAMUNE”のDF版では、ハッシュ値算出機能も追加されています。
【何故新規開発したのか?】
電子記録媒体のクローンを作成する、または証拠保全を行うツールは既に種々存在している現在の状況において、何故“MASAMUNE”を新たに開発する必要があったのでしょうか?
データ復旧の現場から、実際のデータを基に説明すると、「ハードディスクドライブ(HDD)ほど問題点の多い不完全なものは存在しないと言い切っても良い状態である」ことにあります。
データ復旧を目的として持ち込まれるHDDの障害を、受付頻度の高いものから順番に挙げると、1位:リードエラー、2位:ファームにまつわる障害、3位:ヘッドの障害、4位:バッドセクタとなります。
リードエラーとバッドセクタの区分は、
・リードエラー:データ復旧業者の専用設備・手法によって、読み出すことが可能であり、使用されている部品等には物理的な故障の存在しないセクタ(回復可能)。
・バッドセクタ:明らかにプラッタの物理的な特性の劣化や傷などによって、読み出すことが不可能なセクタ(回復不能)。
となり、そのリードエラーの占める割合が全体の半数以上もあるのです。
