第267号コラム「電子カルテのe-ディスカバリ」
第267号コラム:和田 則仁 理事(慶應義塾大学医学部 外科学 専任講師)
題:「電子カルテのe-ディスカバリ」
縁あって少し前から損保会社の顧問をしている。といっても、いわゆる高所大所から意見を述べるという顧問ではなく、医療現場で発生した問題について医療側に過失・過誤があるかどうか、因果関係のある損害は何かなどについて、具体的に判断することが任務である。当然のことながら、当該事例の診療録(カルテ)やレントゲン写真を詳細に検討することになる。紙カルテであれば、バインダーに閉じられた紙類をすべてコピーしたもの一式が届くことになる。採血など諸検査の結果やオーダリングの情報以外は、手書きがほとんどである。手書きであるため判読が困難な(字が汚い、意味不明な略語など)箇所もあるが、逆に重要な部分は強調されていたり、簡単なスケッチが書かれているという点では専門家がみる上では見やすいという一面もある。医師の記載欄は、診断の過程や、治療計画などを知るうえで重要な情報が得られる。また看護師の記載欄は実施された医療行為や患者の言動などが時系列で記載されているので貴重である。
