第263号コラム「理事就任のご挨拶とデジタル・フォレンジックとの出会い」

第263号コラム:手塚 悟 理事(東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 教授)
題:「理事就任のご挨拶とデジタル・フォレンジックとの出会い」

去る5月21日開催のIDF第10期総会において、理事就任のご承認を賜りました手塚でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。

今回のコラムを書くに当たり、どのようなテーマにするのかを考えておりましたところ、「デジタル・フォレンジック」に最初に本格的に出会った頃のことを思い出しました。あれは、確か2005年の春頃であったと思います。

当時「フォレンジック」という聞き慣れない言葉との未知との遭遇をしたわけですが、ファーストコンタクトをした場合には、全く避けて通るか、あるいは近寄ってじっくり調べてみるかのいずれかが人間の本能であると思います。当時の私は、情報セキュリティの分野で何か新しいものはないかとちょうど探しておりましたので、初めて聞いたフォレンジックという言葉に興味を抱きました。その上、フォレンジックの音の響きも私の脳裏には深く刻まれ、これは一体何なのだと非常に好奇心が湧いてきたのを記憶しております。

 そこで、米国で既に使われているフォレンジックを調査するため、知識もあまりないままに、2006年2月頃海外出張に出かけました。記憶にある範囲で当時の米国の状況について述べたいと思います。

第262号コラム「デジタル・フォレンジックと日本の将来―言語と論理の視点から―その1」

第262号コラム:辻井 重男 顧問(中央大学研究開発機構 教授)
題:「デジタル・フォレンジックと日本の将来―言語と論理の視点から―その1」

1.この題名は、言語解析的に見て如何?

この題名では、(デジタル・フォレンジック)と(日本の将来)の関係について考察すると言う意味に受け取られるかも知れませんが、私の意図は、「デジタル・フォレンジックの将来」についても「日本の将来」についても、言語と論理の視点から考えてみたいという点にあります。つまり、「(デジタル・フォレンジックと日本)の将来」です。

同じ構文でも、「晶子と鉄幹の将来」という題名なら、「(晶子と鉄幹)の将来」という意味に受け取る人が、「晶子と(鉄幹の将来)」より多いかもしれません。日本語の構文解析は、意味解析レベルまで上げないと難しいということの一例でしょう。「日本語の」と断りましたが、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語など欧州語同士の翻訳には、通常、翻訳者のオリジナリティは認められないようです。単語レベルの形態素解析と文法レベルの構文解析で、機械的にやれるということでしょう。

このコラムでは、デジタル・フォレンジックにおける言語解析と論理学の導入、及び、日本文化における論理性について、2回に分けて考えてみたいと思います。

第261号コラム「セキュリティの基本はずっとかわっていない」

第262号コラム:辻井 重男 顧問(中央大学研究開発機構 教授)
題:「デジタル・フォレンジックと日本の将来―言語と論理の視点から―その1」

1.この題名は、言語解析的に見て如何?

この題名では、(デジタル・フォレンジック)と(日本の将来)の関係について考察すると言う意味に受け取られるかも知れませんが、私の意図は、「デジタル・フォレンジックの将来」についても「日本の将来」についても、言語と論理の視点から考えてみたいという点にあります。つまり、「(デジタル・フォレンジックと日本)の将来」です。

同じ構文でも、「晶子と鉄幹の将来」という題名なら、「(晶子と鉄幹)の将来」という意味に受け取る人が、「晶子と(鉄幹の将来)」より多いかもしれません。日本語の構文解析は、意味解析レベルまで上げないと難しいということの一例でしょう。「日本語の」と断りましたが、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語など欧州語同士の翻訳には、通常、翻訳者のオリジナリティは認められないようです。単語レベルの形態素解析と文法レベルの構文解析で、機械的にやれるということでしょう。

このコラムでは、デジタル・フォレンジックにおける言語解析と論理学の導入、及び、日本文化における論理性について、2回に分けて考えてみたいと思います。

第260号コラム「インシデント・レスポンスのための人材育成~白浜シンポジウム併設危機管理コンテストとは~」

第260号コラム:上原 哲太郎 理事
(立命館大学 情報理工学部 情報システム学科 教授)
題:「インシデント・レスポンスのための人材育成
~白浜シンポジウム併設危機管理コンテストとは~」

いきなり私事で恐縮ではありますが、私こと上原は3月末をもって総務省 情報通信国際戦略局 通信規格課 標準化推進官の職を辞し、この4月から立命館大学に採用して頂きました。こちらでは、情報理工学部情報システム学科にサイバーセキュリティ研究室という新しい研究室を立ち上げています。研究テーマには、デジタル・フォレンジックを明記しました。7月頃には学生が配属され、いよいよ活動開始する予定です。関係の皆様にもご指導ご鞭撻を賜りたく、今後ともよろしくお願いいたします。

さて、このメールマガジンでも私が担当になるたびに例年ご案内申し上げております通り、「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」が今年も5月23~25日の日程で開催されます。今年は特に、例の遠隔操作ウィルス事件を意識したテーマが設定されていますので、それを中心とした話題が出るかと思います。あの事件では警察の能力、とりわけ人材の確保が課題であることが浮き彫りになりました。情報セキュリティ関係の人材育成というのは業界的にも長く問題にされてきた大きな課題の一つで、さまざまな取り組みが各所でなされていますが、デジタル・フォレンジック関係の人材育成の取り組みはそれほど多くはないのではないでしょうか。そんな中、昨年あたりは比較的関係が深い取り組みとして、CTFやそれに似た形式のコンテストが話題になりました。特に、経済産業省がCTF形式のセキュリティコンテスト「CTFチャレンジジャパン」を後推ししたことは一般マスコミにも取り上げられ、大きな話題になりました。その他、類似の取り組みとしてSECCON CTFやWASForum Hardening Projectなどのようなものがあると思います。