第267号コラム「電子カルテのe-ディスカバリ」

第267号コラム:和田 則仁 理事(慶應義塾大学医学部 外科学 専任講師)
題:「電子カルテのe-ディスカバリ」

縁あって少し前から損保会社の顧問をしている。といっても、いわゆる高所大所から意見を述べるという顧問ではなく、医療現場で発生した問題について医療側に過失・過誤があるかどうか、因果関係のある損害は何かなどについて、具体的に判断することが任務である。当然のことながら、当該事例の診療録(カルテ)やレントゲン写真を詳細に検討することになる。紙カルテであれば、バインダーに閉じられた紙類をすべてコピーしたもの一式が届くことになる。採血など諸検査の結果やオーダリングの情報以外は、手書きがほとんどである。手書きであるため判読が困難な(字が汚い、意味不明な略語など)箇所もあるが、逆に重要な部分は強調されていたり、簡単なスケッチが書かれているという点では専門家がみる上では見やすいという一面もある。医師の記載欄は、診断の過程や、治療計画などを知るうえで重要な情報が得られる。また看護師の記載欄は実施された医療行為や患者の言動などが時系列で記載されているので貴重である。

第264号コラム「未来をつくるリーダーシップ開発」

第264号コラム:熊平 美香 監事(一般財団法人 クマヒラセキュリティ財団 専務理事)
題:「未来をつくるリーダーシップ開発」

今、私たちを取り巻くあらゆる分野で、過去に類を見ない地球規模での大変化が、猛烈な勢いで起きています。これらの変化は既存の秩序や制度を揺るがし、様々な混乱や摩擦を引き起こしています。そのような中、「これまでのやり方が通用しない」「何とかしなければと思っていても、どうすればいいのかわからない」と、多くの人たちが、組織や社会の閉塞感と自らの無力感や方向感の喪失を感じているのではないのでしょうか。こういった状況を打破し、日本が夢と希望が溢れる人々の社会となるように、私は、未来をつくるリーダーを育てるためのプログラムの開発を始めました。この活動をアンビショナーズ・ラボと名付けていますが、その初回の試みとしてリーダーシップ育成や組織・社会変革、起業に興味のある方々を対象にワークショップを先日、二日間に亘り開催いたしました。今回はワークショップでご紹介した、未来をつくるリーダーシップに必要な「8つの力と4つの価値観」をご紹介しましょう。

第263号コラム「理事就任のご挨拶とデジタル・フォレンジックとの出会い」

第263号コラム:手塚 悟 理事(東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 教授)
題:「理事就任のご挨拶とデジタル・フォレンジックとの出会い」

去る5月21日開催のIDF第10期総会において、理事就任のご承認を賜りました手塚でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。

今回のコラムを書くに当たり、どのようなテーマにするのかを考えておりましたところ、「デジタル・フォレンジック」に最初に本格的に出会った頃のことを思い出しました。あれは、確か2005年の春頃であったと思います。

当時「フォレンジック」という聞き慣れない言葉との未知との遭遇をしたわけですが、ファーストコンタクトをした場合には、全く避けて通るか、あるいは近寄ってじっくり調べてみるかのいずれかが人間の本能であると思います。当時の私は、情報セキュリティの分野で何か新しいものはないかとちょうど探しておりましたので、初めて聞いたフォレンジックという言葉に興味を抱きました。その上、フォレンジックの音の響きも私の脳裏には深く刻まれ、これは一体何なのだと非常に好奇心が湧いてきたのを記憶しております。

 そこで、米国で既に使われているフォレンジックを調査するため、知識もあまりないままに、2006年2月頃海外出張に出かけました。記憶にある範囲で当時の米国の状況について述べたいと思います。