第73号コラム「文献にもるリスクと人間」
第73号コラム:佐々木 良一(東京電機大学 未来科学部 教授、IDF理事)
題:「文献にもるリスクと人間」
1 はじめに
デジタルフォレンジックを含むITシステムの「リスク」の研究をしている関係から、リスクに関連する文献を読むことが多い。リスク (risk) という言葉は、経済学、社会学、心理学など多くの分野で使われており、その定義は少しずつ違うが、「ある行動に伴って、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」と言う意味においては共通であろう。工学分野では通常、「リスク=損害の発生確率x損害の大きさ」で表されることが多い。
最近次のような3冊の比較的面白い本を読んだので、これらを紹介し感想を述べてみたい。
1)ダン・ガードナー「リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理」早川書房 、2009
2)山岸 俊男「日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点」集英社インターナショナル 、2008
3)ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質(上)(下)」ダイヤモンド社、2009
